「私はチームを“日本化”させた」ハリルが大不振の古豪を蘇らせ4連勝!老将が語る好調の秘訣

2018年11月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

数字にも表われるハリル効果。

巧みな手腕で低迷していたナントを立て直しているハリルホジッチ。その采配は今、大きな注目を浴びている。 (C) Getty Images

 元日本代表監督が、自身もOBとして名を連ねるクラブを立て直そうと奮闘している。

 現地時間11月4日に行なわれたリーグ・アン第12節で、ナントは本拠地でギャンガンと対戦して5-0と大勝した。

 これでナントはリーグ戦で4連勝。8試合を消化した時点で勝点6しか挙げられておらず、一時は降格圏の19位に低迷していた古豪は、順位を10位にまで浮上させている。そんなチームにあって、とりわけ目を引いているのが先月2日に途中就任した前日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチの手腕だ。

 現役時代、1981年から86年にかけて、2度のリーグ制覇など黄金期を謳歌したナントでFWとしてプレーした実績を持つハリルホジッチは、日本代表の電撃解任以来となる現場で辣腕を振るって、統率力を高め、バラつきが目立っていたナントを瞬く間にまとまりのあるチームへと昇華させた。

 その成果は数字にも如実に表われている。ハリルホジッチが就任する前の8試合で8得点・13失点と落ち込んでいたナントだが、就任後の4試合で11得点・4失点と、首位を独走するパリ・サンジェルマンの14得点1失点にも決して引けを取らない好成績を収めているのだ。

 見事な4連勝を飾ったギャンガン戦後、66歳の老将は、「この勝利を味わうべきだ。将来に向けての希望となるものだった。ただ、野心について話すには時期尚早だ」と気を引き締めながら、日本代表を指揮した経験が今に活かされていることを明かしている。その言葉を地元紙『L'Obs』が伝えた。

「選手たちの振る舞いは信じられないよ。私は、就任した当時、戦術的なこと以外にも、時間を守ることだったり、言うことを聞かせることだったりと多くの仕事があると思っていたが、今、チームはプレーしない選手たちでさえも謙虚にやってくれている。

 私は彼らには謙虚さを保つことが重要だと思っているが、選手たちもそれに気づいているはずだ。私は彼らを指導するうえで、精神的なアプローチをしている。責任感、尊厳、時間の厳守を徹底させるうえで、少しばかりナントを"日本化"させて仕事をしているんだ。それが早くも実っている」

"日本化"を行なって降格候補だったチームを蘇らせたハリルホジッチ。その手腕に導かれるナントの躍進は一体どこまで続くのか? 彼らの戦いぶりに注目だ。
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