「シュートを選んだのだから決めるべき…」久保建英がサウジ戦で残した爪痕と敗戦を見つめる目

2018年11月02日 塚越 始

「自分では惜しいシーンを作れたかなという感覚もあった」

準決勝は後半からの出場となった久保。チャンスも生み出したが、ゴールには至らなかった。写真:佐藤博之

 U-19日本代表の久保建英は、U-19アジア選手権の準決勝・サウジアラビア戦で後半開始から右MFで投入された。
 
 前半の日本は3-4-3とも5-4-1とも言える守備的布陣でスタートを切る。サウジアラビアが状況に応じて前線に4人が張り出すのに対応した形だ。「決して相手の攻撃を受けるのではなく、自分たちから主導権を握りにいくという狙いだった」と影山雅永監督は試合後に語っていたものの、後傾になってしまい、人は足りているものの背後を突かれ、ボールを奪えても前線に預けられない苦しい展開が続いた。
 
「これまでの日本らしいサッカーで、主導権を握り返そう」
 
 指揮官のそうした言葉でハーフタイムを挟み、久保は宮代大聖とともに投入された。
 
 前半の日本にはなかったボールの収めどころとなった久保を起点に、少しずつ日本がボールをつなぐ時間が増える。
 
 67分、76分と2本、ペナルティエリア内に切れ込んで放ったシュートは、いずれも個人技でしっかりゴールを狙える位置まで持ち込んだものの枠を捉えきれなかった。
 
 そして試合終了間際には、ペナルティエリアのギリギリ左外(本人はペナルティエリア内だったのではないかと主張したが認められず)からのFKを放ったが、惜しくも斉藤光毅と合わず。そして0-2のまま、試合終了の時を迎えた。
 
 久保は試合後、悔しさを滲ませた。
 
「自分では惜しいシーンを作れたかなという感覚もあったんですが、結局決め切れませんでした。何回か同じ角度から入って行って、クロスの選択肢もあるなかで、シュートを選んでいったのだから、そこはしっかり決めるべきだという反省はしています。そこのシュートは、練習をしていければと思います」
 
 グループステージでの北朝鮮戦(〇5-2)では鮮烈の直接FK弾など1得点・1アシスト、イラク戦(〇5-0)での滝裕太の先制点のアシストと田川亨介のゴールをもたらしたスルー、そして世界大会への切符を掴んだインドネシア戦(〇2-0)での貴重な宮代大聖の決めたチーム2点目につなげたラストパス……。今大会、重要な場面で存在感を示した。

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