「ムトウは良い選手だけど一番は…」 電撃移籍から約3か月、武藤嘉紀に対する評価は!? 現地ファンに突撃!

2018年10月28日 内藤秀明

熱狂的なニューカッスル・サポーターは武藤に何を思うのか?

サウサンプトン戦ではドリブル突破を仕掛けたり、シュートを放つなど、積極果敢な姿勢を見せた武藤。そんな日本人FWに対して、サポーターもまずまずの評価を下しているようだ。 (C) Getty Images

 現地10月27日に行なわれたプレミアリーグ第10節、サウサンプトンとニューカッスルの一戦はスコアレスドローで幕を閉じた。

 サウサンプトンに所属する日本代表DF吉田麻也とニューカッスルに所属する日本代表FW武藤嘉紀の"日本人対決"も注目されたこの試合、キックオフ前のアップでは両者が顔合わせ、抱擁を交わすシーンもあった。ただ、武藤は先発出場を果たしたが、吉田に出場機会はなし。日本人同士のマッチアップは実現しなかった。

 試合は結果が示す通り、両軍とも攻め手に欠く静かな一戦になったが、80分までプレーした武藤は、アウェーの地にまで足を運んだ熱狂的なニューカッスル・サポーターに好印象を与えたようだ。現場で直撃した20代の男性サポーターは、こう語ってくれた。

「武藤? ハードワークしていたし、チームの中で一番脅威になっていたよね。特に前半に関しては良かった。惜しいシュートチャンスもあったしね。後半は立ち上がりに少し消えていたけど、不満はそれくらいかな。

 裏に抜け出す動きで、常にサウサンプトンDFにとって嫌な存在になっていたと思うよ。だから、途中で交代したのが残念だったよね。ポジティブなニュースが最近は少ないけど、武藤の活躍は間違いなく、明るい材料だと思う。あとは、何個かゴールがあればいいよね」

 確かにこの日の武藤は、常にサウサンプトンのDFを相手に駆け引きを繰り返し、ロングレンジのパスを得意とするジョンジョ・シェルビーからボールを引き出そうと試行錯誤していた。

 一方で、他の20代男性のニューカッスル・サポーターは、武藤に課題があることをずばり指摘している。

「武藤は良い選手だけど、一番はサロモン・ロンドンなんじゃないかな。やっぱり、空中戦の強さとかパワーで、武藤はロンドンに劣るしね。あとは、英語が万全ではないのも不安だね。監督やチームメイトともっと円滑なコミュニケーションをとれるようになったら、もっと良くなると思うよ。ロンドンとは違うタイプなわけだし、違う価値を発揮してくれるはずだよ」

 確かにこの日の武藤は、6回あった空中戦で1回しか勝利を収めることができていない。また、プレッシングをかけるべきタイミングで足を止めてしまい、ラファエル・ベニテス監督から「なぜ足を止めているんだ! プレスをかけろ!」と叱咤されている場面もあった。

 もしかすると、コミュニケーション不全が原因で、本来やるべきプレーの認識で、指揮官と多少なりともギャップがあるのかもしれない。

 とはいえ、マンチェスター・ユナイテッド戦で得点を決めるなど、強豪相手に結果を残した武藤を支持する声は強い。40代の男性サポーターは語る。

「武藤は、ストライカーとして一番手ではないかもしれないけど、良い選手だと思う。シャドーストライカーとしてもプレーできるんだから、ロンドンと2トップで起用すればいいと思うね」

 惜しくも、サウサンプトンでは結果を残すことができなかったが、10試合を終えた時点で未勝利と絶不調に陥っているチームにおいて、武藤の活躍は希望の光なのかもしれない。

 ただ、コンスタントにゴールができず、得点の間隔があいてしまうと、サポーターからの信頼も薄まっていく。フィジカル面だけでなく、コミュニケーション面でも、いち早くフィットしてゴールを量産してもらいたいところだ。

取材・文●内藤秀明 text by Hideaki Naito

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