「大島僚太に近い印象」昌平高・原田虹輝のポテンシャルを王者・川崎はどう評価した?

2018年10月24日 平野貴也

来季新加入の原田が母校で入団会見。目標とする選手は?

昌平高の原田虹輝が母校で入団会見を実施。プロでの抱負を力強く語った。写真:平野貴也

 パスワークの中心となる中盤の底から、ドリブルで状況を打開する。大島僚太(川崎)を彷彿とさせる攻撃的なボランチは、来季から憧れの選手と同じユニホームに袖を通して背中を追う。23日、埼玉県の昌平高でMF原田虹輝(3年)の川崎入団内定会見が行われた。目標としている選手を聞かれた原田は「海外の選手ならイニエスタ選手(神戸)、日本なら大島僚太選手(川崎)。身体が小さくてもボールを失わず、試合を決定付けるチャンスメークができる選手になりたい」と夏にロシアで行われたワールドカップの日本代表に選出されていた大島の名を挙げて、意気込みを語った。
 
 同席した藤島崇之監督は「中村憲剛選手、大島僚太選手といった日本を代表する選手がいる(川崎の)中で切磋琢磨させていただくことで、光り輝く可能性はあると思っている」と後押し。川崎の庄子春男強化部長は「足下の技術があるだけでなく、驚いたのは、身体のバランス。軸がぶれずにバランス良くプレーできている。パスもドリブルもあり、プレーが高校生の域ではないと感じてオファーを出した。(10月初旬の)練習参加でもプロとそん色なく、選手からも評価されていた」と期待を寄せた。
 
 原田は、2年生だった昨季から先発に定着。技術が高く、抜群の位置取りで相手守備網の狭間にボールを呼び込むプレーを見せていた。最終学年となった今季は、夏のインターハイ(全国高校総体)で活躍。準々決勝で2得点を挙げるなど、4強入りに大きく貢献した。ボールを失わず、味方を助けながらパスワークの潤滑油となるだけでなく、隙あらばドリブルでゴールへ近付いて得点機を生み出す。ただ、身長169センチと小柄。パスワークを重視するチームでなければ高く評価されない可能性もあったが、夏の活躍で好チームに巡り合った。
 
 川崎の向島建スカウト担当は「大島を見た時の感覚に近い印象を受けた。確かに大きくはないけれど(身長161センチながらJリーグで活躍した)僕よりは大きい(笑)。足腰は強いし、プレースキックも良いし(ボールを持っても周囲が見えるように)顔も上がっている。攻撃に関しては何も心配していない。こういう選手は、なかなか出て来ない。ゲームコントロールができて、ボールを握っていろいろなパスが出せる。(決定的な場面でなくても)1本のパスに影響力があるし、見ていて騙されるというか、そっちかと思わされるプレーも多く、先、先を見ている」と高く評価。原田が持つ川崎の印象も「パスワークに優れていて(複数の選手が)連動して、見ていて楽しい、憧れるプレースタイル」というもので、活躍のイメージが沸くチームへの加入となり、期待は膨らむばかりだ。
 

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