U-19代表で唯一の高校生、192㌢DF三國ケネディエブスがコンビを組む浦和DFから学んだこととは?

2018年10月23日 塚越 始

パートナーの橋岡大樹のプレーに「すごく勉強になります」

グループリーグ第2戦のタイ戦でセンターバックとしてコンビを組んだ三國(22番)と橋岡(4番)。写真:佐藤博之

 青森山田高の192センチを誇る長身DF三國ケネディエブスが、10月22日のタイ戦で4-4-2のセンターバックとして先発フル出場し、3-1の勝利に貢献した。
 
 今回のメンバー23人の中で唯一の高校からの選出となった。例えば平山相太、兵藤慎剛、中村北斗(当時国見高)やカレン・ロバート、増嶋竜也(同市立船橋高)ら高校生中心だった北京五輪世代が臨んだ2004年大会と比べると、時代の変遷を感じるメンバー編成でもある。

 
 青森山田中時代はFWで全国中学校大会(全中)の得点王に輝き、その後はFWとCBを兼任。徐々にCBに定着し、今回は「DF」として代表入りを果たした。来季のアビスパ福岡入りが内定している。
 
 これまでも世代別の日本代表に選ばれてきた三國だが、U-19アジア選手権では、北朝鮮戦(〇5-2)で途中出場していたものの、初先発のピッチに立った時は「緊張しました」と素直な気持ちを明かした。
 
「緊張したけれど、みんなが鼓舞してくれたので、ゲームにはしっかり入れました。ただ背後を突かれた時の対応が良くなかったので、つないで来る一気に来る相手にはしっかり対応していければと思います」
 
 そのように三國はタイ戦の90分間で感じた課題について語った。何よりこの日の失点は、「自分のファウルから始まったので、まずそこをなくすこと。蹴られたあとのダウンが遅かったので修正していきたいです」と悔しそうに振り返った。
 
 もともとはストライカーなだけに、「コーナーキックのチャンスでファウルになってしまい、それがなくても得点できていなかった。そこはもっと突き詰めていきたいです」と攻撃面での課題も挙げていた。
 
 今回はプロの先輩となる浦和レッズの橋岡大樹とセンターバックのコンビを組んだ。浦和ユースからトップチームに昇格して1年目の橋岡は、浦和では基本的にウイングバックでプレーし、リーグ22試合に出場し1得点・1アシスト。このU-19代表ではセンターバックとして、ディフェンスリーダー的な存在を担ってきた。
 
 三國はDFとしての経験の差を感じ、一緒に90分間プレーすることで得るものも多かったという。
 
「すごく勉強になります。見ている場所も違いますし、攻撃の部分でも、しっかり見て盗んでいます」
 
 実際に時間が経つごとにふたりの息は合っていき、最終ラインの安定感は増していった。1失点は喫したが、北朝鮮戦(スコアは〇5-2)のようにバタバタと慌てる時間は限られていた。
 
 18歳の三國の突き上げによって、チーム内の争いも一段と活発化している。三國自身もこの90分間で得たものは多く、大会を通じて、さらにどれほどビッグになるのか楽しみだ。
 
取材・文:塚越 始
 
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