試合勘の欠如を本人も痛感…柴崎岳が"復活"するには冬の移籍も選択肢のひとつだ

2018年10月20日 飯尾篤史

中盤でイニシアチブを握っていたのは、遠藤航のほうだった

10月シリーズで2試合に出場した柴崎の動きにキレはなかった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 どこか自信なさげで、試合の流れにひとり乗れていないように感じられた。10月16日のウルグアイ戦でボランチを務めた柴崎岳のことだ。
 
 こぼれ球の奪い合い、いわゆるデュエルの部分で何度か競り負け、身体を寄せても反対に弾き飛ばされる場面があった。
 
 パスがインターセプトの遭う場面も何度かあり、ロシア・ワールドカップで見せたダイナミックなサイドチェンジや敵の急所を突くロングフィードも見られず、中盤でイニシアチブを握っていたのは、2ボランチのパートナー、遠藤航のほうだったように見えた。
 
 柴崎は現在、所属するスペインのヘタフェで試合に出られていない。ウルグアイ戦ではそのことの影響をまざまざと感じさせたが、それは、他でもない柴崎自身も感じ取っていたようだ。
 
「シーズン中に試合を回せていないので、そういった部分の勘(のなさ)というのは試合の中で多少感じました。自分としてはもっともっとできるかなというレベルですし、これからさらに上げていくことができるレベルじゃないかなと思います」
 
 もちろん、ポジショニングや相手をブロックするような頭脳的なプレーには、相変わらずセンスを感じさせたが、ウルグアイ戦でのパフォーマンスに及第点を与えていたら、それこそ柴崎に対して失礼というものだろう。
 
 パナマ戦、ウルグアイ戦のメンバー発表の際、森保一監督は所属クラブで出場機会を得られていない柴崎と原口元気に対して、こんなふうに言っていた。
 
「ふたりはクラブで出場機会の恵まれていないですが、もともと世界に対して実力を見せてくれた選手たちですし、そういう選手にチームに加わってほしいということと、試合に出てないなかでもトレーニングは積めているということなので、我々の活動に加わってもらって現在のコンディションを見極めて、今後の活動をどうしていくかについて見ていきたいと思っています」
 
「今後の活動」というのは、ベネズエラ、キルギスと対戦する11月シリーズであり、来年1月にUAEで開催されるアジアカップのことだろう。
 

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