ピッチ内外で存在感を増す"キング・ケイスケ" 明日のAリーグデビュー戦はボランチ起用か

2018年10月19日 植松久隆

こだわるのは勝利。「結果にコミットしていく」

本田のデビュー戦は、Aリーグでも屈指の盛り上がりを見せるメルボルン・ダービー。本人は「結果にこだわる」と語った。(C)Getty Images

 10月18日、本人も「開幕前に記者会見するのは初めて」というデビュー戦前々日の会見に姿を現した本田圭佑の表情は、かなり引き締まって見えた。

 自らの新しい挑戦の舞台に選んだオーストラリアでのデビュー戦には、「メルボルン・ダービー」というAリーグ有数の盛り上がりを見せる最高の舞台が用意された。世界を股にかけてきた本田にとっても「今までに経験が無い」と語る開幕でのダービー・マッチは、本田が自らの価値を証明するには絶好の機会。「いよいよ開幕で興奮している」との気持ちが、揺ぎ無い自信と渇望した試合を待ち望む思いとあいまって、その現状の充実ぶりを伺わせる表情として現れていた。
 
 今季の本田には、ピッチの内外でチームの主力・顔としての働きが求められるのは当然だが、さらには、Aリーグの顔としての役回りも求められる。それに加えて、カンボジア代表の実質的監督として責務など、彼自身のコミットメントも多くある。おそらくは、本田はAリーグで一番多忙な選手ということになるだろう。
 
 当然、周囲はそんな本田の動向を興味深く見守る。そんな好奇の目を含む注目の中で、自らの価値を認めさせるのには「結果」を出し続けることが必要なのは、本人が一番よく理解している。
 
 この日の会見でも、予想されるボランチへのポジション変更もあるのでと断ったうえで、「得点とは違う形になるかもしれないが、結果で示していきたい」と「結果」にコミットする姿勢を明確に打ち出した。日本代表の歴史でも有数の"もっている"選手として知られる本田だけに、メルボルン・ダービーという大舞台で名刺代わりの大仕事をやってのけても驚きはしない。
 
 予想されるボランチのポジションでは、キャプテンの元オーストラリア代表MFカール・ヴァレリとバランスを取りながら、各国の代表クラスが揃った前線を操っていくことになる。会見では、自らのチームでの役割を「結果にコミットして、チームのリーダーとしてピッチ内外でのあらゆるマネジメントをしつつ、チームが上手く結果を出すために監督のサポートをきっちりすること」と言い切った。この頼もしい発言を、「俺に任せろ」という事実上の「王様」宣言と取るのは飛躍が過ぎるだろうか。
 

次ページ「開幕戦は先発か」と言う単刀直入の質問に「そうでしょ」と含み笑い

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