PK戦となった初戦を皮切りに、決勝リーグも１勝２敗と結果を残せず、得失点差での全国行きとなった。だが、彼らの戦い方にブレはない。
 
　フォーメーションは３バックというよりも５バックに近いイメージ。これは前線の速い選手を活かすために必要な、守備の安定を図るため。「極端に言えば、前が点を獲って、後ろが守ればOK」と語るのは岩松監督。府の１部リーグでは、この戦い方がハマって前期を首位で折り返している。
 
　羽田（２年）を中心とした強固な守備陣が安定したディフェンスで撥ね返し、ボランチの山田（２年）、眞口（３年）へとつなぐと、シンプルにサイドへ展開。荒田（３年）、向田（３年）の両WBの縦への仕掛けから、スピードのある寺田（３年）、稲野（３年）、新家（３年）の３トップへクロスを供給する。
 
　一度、弾かれても、「前に厚みを加えることで、セカンドボールを拾い、再びゴールに向かうことを意識している」と岩松監督が語るように、ゴールマウスをこじ開けるまで粘り強く波状攻撃を仕掛ける。
 
　苦しんだ今予選を通して精神的に成長したチームは、自らのスタイルを貫き、全国での勝利を目指す。