【岩政大樹】森保ジャパンがパナマに感じさせた”気持ちの悪さ”の正体とウルグアイ戦の意義

2018年10月14日 岩政大樹

結果ほど内容には手応えがなかったかもしれないが…

思うようにいかない展開のなかでも、大迫(15番)や青山らが工夫してパスコースを作り出そうとしていた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 9月のコスタリカ戦に続き、パナマ戦も結果は素晴らしいものでした。森保ジャパンは2試合連続で3-0での勝利という華々しいスタートを切りました。
 
 もしかしたら、結果ほど内容には手応えがなかったかもしれません。しかし、逆に言えば、そうした試合でもきっちりと先制、追加点、そしてダメ押しと、得点という結果に結び付けられているのは、力のある証拠とも言えます。
 
 戦前に私が予想していた3バックは試されず、森保監督はパナマ戦でも4バックで挑みました。この試合で最後まで3バックを試さなかったということは、ひとまずアジアカップまでは4バックを基本としてチームを作るつもりなのでしょう。
 
 きっと9月のコスタリカ戦で、描いていたチーム像に近づいていく画が見えたのだろうと思います。森保監督は、バランス感覚に敏感な監督さんです。今は、ワールドカップで日本代表が採用した枠組みの中で、少しずつ自身の色を加えていくというバランスが丁度いいと判断したのだと思います。
 
 立ち上がり。パナマの出足の鋭さは予想以上だったようでした。選手たちは「取れる」という感覚でボールに飛び込むものの、ことごとく一歩先に触られてしまうようなプレーが続きました。そのことにより少し落ち着かない展開となりました。
 
 ビルドアップになったら、青山選手か三竿選手がポジションを落として3バックのような形となり、相手の2トップに対して数的優位を作り、主に冨安選手が持ち運んで前線にパスをつける、という明確な意図は見えました。しかし、気になったのは少しそれが"形から入っている"ように見えたことでした。まだ連係面が十分に取れていない中での試合なので仕方がない面もありますが、選手たちがそれぞれの発想を生み出して躍動するような空気感は感じられず、どこか窮屈な印象がありました。

 それには、両サイドハーフの伊東選手、原口選手の特長を活かしきれなかった部分が大きいと思います。3バックのような形となるのと同時に、サイドバックの佐々木選手と室屋選手が高い位置を取ります。それに合わせて、伊東選手と原口選手が中に入って、大迫選手、南野選手と近い距離を取る。ワールドカップの時と似た配置を取りましたが、そのことで逆に少し前線で渋滞が起こり、より広いスペースを享受したい伊東選手と原口選手はその羽をうまく使えないでいるように見えました。
 

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