【高円宮杯】プレミアWESTの優勝争いは混沌! 京都が首位を走るも「今季最強」の呼び声もあるG大阪に逆転の可能性も

2018年10月10日 森田将義

京都は主軸の福岡と上月がすでにトップでの活動がメインに

現在プレミアリーグWESTで首位に立つ京都U-18。果たしてこのまま逃げ切れるか。写真:森田将義

 高校年代最高峰の「高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ 2018」は15節を終えた。8年目を迎えた今年のWESTは度重なる台風の影響で思ったようにスケジュールをこなすことができず、現時点でカレンダー通りに試合を消化しているのは京都サンガF.C. U-18と東福岡高、阪南大高の3チームのみ。まだまだどこが頂点に立つか分からない例年以上の混戦となっている。
 
 ポールポジションに立つのは、中学時代に日本一の経験を持つ選手が3年目を迎えた京都だ。前期のうちにこの世代の軸であるMF福岡慎平と上月壮一朗がトップチームでの活動に専念したが、「二人から厳しさなどいろんなことを学んで、負けないぞという気持ちが皆にある。その気持ちがあるから練習からバチバチで削り合いになったりもする」(MF山田楓喜)ことがチームとしてプラスに作用。後期に訪れた監督交代というアクシデントも乗り越え、優勝を狙える位置につける。残る3節はすべて上位勢との対決となるが、「残りすべてに勝って優勝したい」と山田が意気込むように視界に捉えるのは初のWEST制覇だ。
 
 対抗は勝点差2で2位につけるサンフレッチェ広島F.Cユース。序盤戦は取りこぼしも多かったが、6節からは沢田謙太郎監督が「アイツがいると、チームが元気になる」と評するMF桂陸人を右サイドから前線にコンバートした。160センチと小柄ながらもスピードと前への推進力を活かした飛び出しを繰り返すことで、後方のスペースを生み出し、MF大堀亮之介やFW棚田颯らセカンドトップがノビノビとプレーしやすい環境が整備された。リーグ2位タイの35得点という攻撃力もさることながら、来季からのトップチーム昇格が決まっているMF松本大弥やDF山崎大地ら肉体派を擁する守備の安定感もリーグ屈指。京都よりも1試合少ないことや下位勢との対戦を残していることも追い風と言えるだろう。
 
 その他を見れば、2試合少ない5位のガンバ大阪も戴冠の可能性を十分に秘めている。MF奥野耕平とMF岩本翔の二枚看板を擁する中盤の構成力はリーグ屈指。エースのFW原田烈志も得点ランキング2位につける11得点を奪い、好調を維持している。その力強さは、前期に対戦した敵将が「今年はガンバが一番強い。初めて白旗を上げそうになった」と口にする程。残り試合も力通りのパフォーマンスを発揮できれば、逆転でのタイトルも夢ではない。
 
 一方、高体連で唯一、上位争いを繰り広げる3位の東福岡だが、ここ4試合は4失点が続くなど守備の崩壊が気になる所だ。リードを手にしながら、イージーな失点で勝点を逃がす試合が目立ち、森重潤也監督も「追いつかれる試合が続くようでは、優勝するチームではない」と手厳しい言葉を残している。ポテンシャルの高さは確かなだけに、選手の自覚が芽生えるかが終盤戦の鍵となりそうだ。
 
 米子北高の降格はすでに決まったが、9位の阪南大高が15節の東福岡戦を制したことで8位・アビスパ福岡U-18との勝点差が5まで縮まり、残留の残り1枠を巡る争いはまだ先行きが読めない。上位下位ともに最終節まで、目が離せない戦いになるはずだ。
 
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