【クラブレポート|横浜】日産自動車とCFGのパートナーシップ締結で、ワールドクラスの補強も!?

2014年07月29日 藤井雅彦

今年1月に嘉悦社長が渡英し、現地で濃密な体験視察

日産自動車とCFGの共同記者会見。日産のゴーン社長、CFGのソリアーノCEO、さらに横浜の嘉悦社長、選手を代表して齋藤が出席した。(C) SOCCER DIGEST

 今年1月上旬のある日、横浜の代表取締役社長である嘉悦朗は、ロンドン経由の航空機でイングランド北西部に位置するマンチェスターに降り立った。同行したのはトップチームの監督を務める樋口靖洋と経理部長(現・取締役/非常勤)の中西敦のふたり。目的はイングランド・プレミアリーグの強豪マンチェスター・シティを実際に訪れ、シティ・フットボール・グループ(以下、CFG)の技術力や経営理論を体感することにあった。
 
 嘉悦社長らはフェラン・ソリアーノ最高経営責任者(CEO)との会食を行ない、各部門の責任者から日々の仕事内容や経営方針など細かく説明を受けた。その担当者の多くが役員や部長クラスだったことからも、CFG側の本気度が伝わってくる。ちなみに強化部門については、かつて浦和でプレー経験があり、現在はマンチェスター・Cのフットボールディレクターを務める「チキ」ことアイトール・ベギリスタイン氏が担当したという。
 
 現地では本場のフットボールに触れる機会もあった。観戦したのはリーグ戦ではなくカップ戦だったが、クラブとサポーターの熱気を感じるには十分だった。また、1歳刻みで区分されている育成組織を間近に見ることで、日本やJリーグとの違いや類似点も肌で感じた。
 
 一行が現地に滞在したのはわずか4日間程度で、移動を含めても1週間に満たないタイトなスケジュールだった。それでも滞在中は濃密な時間を過ごしたようだ。そして、この体験視察を終える頃、嘉悦社長はある確信を得ていた。
 
「クラブ間のギャップの大きさがあるので、この提携話は本当に上手くいくのかという懸念がありました。でも、それはすぐに払拭されたんです。現地で出会った人たちはフランクでナイスガイばかり。やはり人を通しての提携だから、これは必ず上手くいくと確信を得ました。横浜F・マリノスの意見として、是非やらせてほしいという結論に至った」
 
 こうして日産自動車とCFG、そして横浜F・マリノスの三位一体ビジネスがスタートした。
 
 それから約4か月の月日が流れた5月20日、CFGが横浜の少数株主として資本提携することが発表され、7月17日には日産自動車がCFGとグローバルパートナーシップ契約を締結すると発表。同時に契約年数は5年であることも明かされている。

次ページ単なる業務提携ではなく、CFGに経営の一端を委ねることに。

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