【岩本輝雄】好調フロンターレの“リーグ最少失点”の秘密を3つのポイントで探る

2018年09月24日 岩本輝雄

シンプルに「強いな」と思ったね

グランパス戦の勝利で、首位サンフレッチェとの勝点差は「4」に。連覇を狙うフロンターレがじわじわと追い上げてきた。写真:徳原隆元

[J1リーグ27節]川崎3-1名古屋/9月22日/等々力
 
 ともに攻撃力に秀でるフロンターレとグランパスの対決は、3ゴールを奪ったフロンターレに軍配が上がった。
 
 グランパスも悪くはなかったけど、正直、チームの完成度ではフロンターレのほうが一枚も二枚も上手だった。盤石のポゼッションで主導権を握り、チャンスを確実にモノにする。前半に2点をリードした後、後半に入って1点を返された時はリズムを崩しかけたけど、5分もしないうちに3点目を奪って相手を突き放す。シンプルに「強いな」と思ったね。
 
 その攻撃力に目を奪われがちだけど、今季のフロンターレの充実は、改めて言うまでもなく、リーグ最少失点の堅守にある。1失点したとはいえ、硬い守備はこのグランパス戦でも見て取れた。
 
 なによりも、谷口と奈良の両CBの強靭さが際立っていたよね。球際で厳しく対応して、空中戦でも簡単に競り負けない。グランパスにはジョーという手強いFWがいるけど、ほとんど仕事をさせなかった。
 
 相手のエースを抑え込めた要因は、他にもある。前線でスタンバイするジョーには、なかなか良い形でパスが入ってこなかった。それはフロンターレの前線の選手たちが、高い位置で守備をサボらなかったから。たとえボールを奪えなくても、相手に自由に蹴らせず、フィードの精度を少しでも落とそうとする。小さなことかもしれないけど、こうした献身さによって、後ろのDF陣は的を絞りやすくなるからね。

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