C・ロナウド、退場時に涙を見せたのは「自分こそが神」と感じているから?

2018年09月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

C・ロナウドとメッシが異なる点は…。

C・ロナウドはまだ子どもで、自分のことを「神」だと思っていることが、「涙の退場」という大げさなリアクションに表われたとバラゲ記者は言う。(C)Getty Images

 ユベントスのクリスチアーノ・ロナウドは9月19日のチャンピオンズ・リーグ(CL)開幕戦(バレンシア戦)で退場を命じられ、判定に激しく抗議した末、涙を流しながらピッチを去った。

 スペイン・サッカーに精通するジャーナリストのギジェム・バラゲ記者は、C・ロナウドをはじめとする一流選手たちは、まだ「子ども」であり、自分たちを「神」と考えていることが、涙の退場という大げさにも見えるリアクションに表われたとの見解を示している。

 バラゲ記者はイタリア紙『Corriere dello Sport』で、「今回の件で、クラブが彼ら一流選手をどう扱っているかが明確になったた。選手たちは自分たちが神だと感じている。神は罰せられない。それが起きると過剰な反応を示す」と述べた。

「こういう"火星人"たちの問題は、普通ではない育ち方をしてきたことだ。歳は重ねても、精神的には少年のまま。プレー以外のことを考えなくていいからだ。彼らに求められるのはゴールだけ。それ以外は他人が考え、彼らの要求を満たしてくれる」

 バラゲ記者はC・ロナウドも自身を神のように感じているひとりだと言い切り、「いつもピッチに立つたびに、ファンにあいさつするたびに、どこかのお店に行くたびに、神のように扱われるのは大変なことだ」と続けた。

「そして彼らは、そういう地位にあっという間に慣れる。みんなから信奉され、信頼されることを望むようになるんだ。レアル・マドリーでの晩年はそれがなかった。金銭だけでなく、そうした地位を求めたことも、彼をイタリアに向かわせた理由のひとつだ。C・ロナウドはユベントスだけでなく、セリエA全体に歓迎された」
 
 バラゲ記者はさらに、「愛」がC・ロナウドを移籍に向かわせたとも主張している。

「それこそ彼が求めているものだ。20歳のときに父親を亡くした彼は、プロキャリアにおいてその存在を求めてきた。アレックス・ファーガソンから代理人のジョルジュ・メンデスまでね。いまはイタリアでサポーターの熱を取り戻した。彼はずっと無条件の愛を探してきたんだ。マドリードではフロレンティーノ・ペレス会長がそれを拒んだ。そしてユーベで取り戻した」

 セリエAの第4節でようやく公式戦初ゴールをあげるなど、まだ本調子ではない様子のC・ロナウド。だが、バラゲ記者は「スペイン時代のようにゴールを量産するだろう」と予想した。

「これまでと同じようにフィジカルを保つことができれば、それは間違いない。彼が賢いのは、時間とともにピッチ上で適応する力があった点だ。以前のように走れないと気づき、ゴールの近くでプレーするようになった。いまは走る量が減ったが、よりもっと得点するようになっている」

 C・ロナウドに関する本と、リオネル・メッシの本をそれぞれ上梓したバラゲ記者は、「どちらがより強いかは分からない。知っているのは、ふたりは思われている以上に似ているということだ」とも述べている。

「始まりも、幼少期も、早くに成長しなければいけなかったことも、同時に子どものままでいたいことも、すべて同じだ。ただ、ひとつ違いがあるとすれば、それは世界とのかかわり方だ。メッシはピッチ上で決定的でありたいが、ピッチの外では普通の人間でいたい。C・ロナウドは大きな野心を持ち、どこであっても勝っていたい。これも、神でいるための方法ではないかな」

 バラゲ記者の見解には賛否両論あるだろう。確かなのは、ユベントスのサポーターが「スペイン時代のようにゴールを量産する」のを望んでいるということだ。
 

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