【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|C大阪U-18編

2014年07月24日 内藤秀明

個を重んじ対戦相手を圧倒するサッカー

C大阪U-18
所在地:大阪府大阪市東住吉区長居公園1-1
クラブ創設年:1957年(前身:ヤンマーディーゼル・サッカー部)
主なOB:柿谷曜一朗(バーゼル)、山口蛍、杉本健勇、南野拓実(いずれもC大阪)
(C) SOCCER DIGEST

 C大阪U-18は、高い個の力を押し出したプレーで試合を支配し、勝利をもぎとっている。
 
 攻撃の起点となるのはCBの庄司朋乃也で、低い位置から長短のフィードで組み立てる。ボランチの2枚は、守備的な役割を担う仲原潤也がシンプルにさばいてリズムを作り、上がり目の阪本将基がサイドチェンジや縦パスで状況打開を図る。サイドの攻防では、両SBの積極的な攻撃参加とともに、MF高田和弥が縦へのドリブル突破で違いを作る。
 
 そして、高い得点力と突破力を併せ持つアタッカーの沖野将基と、90分間走り続けて味方のためにスペースを作りつつ、こぼれ球への反応も鋭い久保吏久斗で、2トップを構成している。
 
 こうした特徴的な武器を備えた個が揃うC大阪U-18は、ワイドな展開から両翼が仕掛けてクロスでゴールに迫ることもあれば、ショートパスをテンポ良くつなぎ、中央からペナルティーボックスへの侵入も試みる。攻め方は多彩だ。
 
 大熊裕司監督は、「基本的に『ボールを保持しなさい』とは言いますが、それ以外は『特定のサッカーをしよう』とは言っていません。相手の状況を見ながら、『選択肢を持ちなさい』と指導しています」と語る。バリエーション豊かな攻撃は、戦術ありきではなく、個ありきのサッカーを志向しているがゆえに生まれてくるのだ。
 ただし、個々に一定の自由が与えられているとはいえ、彼らがチームプレーをしないわけではない。大熊監督が、チームのストロングポイントは、「運動量と攻守の切り替え」と語るように、組織のためのハードワークも欠かさない。無尽蔵のスタミナを持つ久保が、ファーストディフェンダーとして高い位置からプレッシャーをかけ、他の前線の選手も連動して奪いにいく。
 
 もし、前線プレスの網をかいくぐられたとしても、中盤の底では小柄ながら球際に強い仲原や、高いカバーリング能力を持つCBの橋本侑紀が、ピンチの芽を摘み取る。

次ページ柿谷、山口、南野に続きトップで芽を出し始めた逸材が…。

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