「この夜の英雄になった」鮮烈デビューを飾った鎌田大地にベルギーメディアが熱視線!

2018年09月17日 中田徹

「エリアの中の1対1には絶対的な自信がある」

圧巻のゴラッソでデビュー戦を飾った鎌田。地元サポーターとメディアの度肝を抜いた。©STVV

 夏の移籍市場最終日にシント=トロイデン加入を決めた鎌田大地が、9月16日のデビューマッチで格上ヘントを下す決勝ゴールを決めた。
 
 1-1で迎えた79分、鎌田は敵陣ペナルティーエリア左角手前からドリブルで仕掛け、まずはCBデライクを置き去りにする。ベルギー代表デビューを果たしたばかりのMFフェルストラーテが、慌ててスライディングタックルを仕掛けたが、鎌田はそれを冷静に左足で切り返して、右足を振り抜いた。強烈な弾道のシュートがクロアチア代表GKカリニッチの左肩口を抜け、ファーサイドのネットに突き刺さった。
 
  これは地元紙『ヘット・べラング・ファン・リンブルフ』に対する、鎌田の予告ゴールだった。同紙の記者は「僕はJ1のデビューマッチでゴールを決めた。ここでも、そうなるといいと思う」という鎌田の言葉を聞いていた。記録を確かめると2015年5月10日の松本山雅戦で、鎌田は90分に劇的な同点弾を決めて、サガン鳥栖を1-1の引き分けに導いている。
 
 そのまま試合は2-1で終わり『ヘット・べラング・ファン・リンブルフ』紙は「カマダはこの夜の英雄になった」と称え、CBで堅い守備を見せた冨安健洋らとともにチーム最高点の「7」を与えた。

 
 わずか30分間の出場で強烈なインパクトを与えた鎌田を試合後、ベルギーメディアが取り囲む。
 
「左サイドハーフはドイツでもやっていたけれど、僕はあんまりスピードがないので難しかった。ベルギーは、前半からDFラインとFWの間が空いていてスペースがあった。ペナルティーエリアの中の1対1には絶対的な自信がある。今日は、その前に1対1の場面でボールを失なうシーンがあったので、2度目(の1対1)だった」 
 
 個の力でヘントのDF網を切り裂いたスーパーゴールに、ベルギー人記者たちも色めき立って「このゴールは、カマダ選手自身にとっても、ここ数年でもっとも美しいゴールだったのでは?」と尋ねた。しかし、鎌田はほとんど表情を変えず、「練習では、ああいうゴールをよく決めていた」と答えてから、こう続けた。
 
「ただ、最初のゲームでこうやって結果を残すのは僕自身にとっても大事なこと。ブンデスリーガではそこが最初にうまくいかなくて、自分の位置がなくなった。それで、今日は大事な試合だと思っていた」
 
 フランクフルトに移籍した昨季、鎌田のブンデスリーガ出場は3試合に留まり、昨年の11月25日以降、ベンチ入りすら果たせなかった。だからだろう、鎌田には新天地でのデビューマッチに期するものがあった。
 

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