【札幌】地震後、初の公式戦で0-7の大敗…それでも途切れなかったサポーターの声援

2018年09月17日 飯尾篤史

ミスの連鎖を断ち切れなかったの課題だが、ポジティブな面がまるでなかったわけではない

地震の影響で満足にトレーニングできなかった札幌は、立ち上がりの20分間に猛攻を見せたが……。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ26節]川崎7-0札幌/9月15日/等々力 

 開始直後からアウェーの北海道コンサドーレ札幌が川崎フロンターレを一方的に押し込んだ。15分までに迎えた決定機の数は、実に3度。先制点は時間の問題のように思われた。
 
 痛恨のミスはそのとき、起きた。
「僕だったんですけど、ちょっとイージーなミスから失点してしまって、流れがあっちに行ってしまって……」
 そう振り返ったのは、キャプテンの宮澤裕樹である。自陣バイタルエリアで宮澤が横パスをトラップしたところを中村憲剛に奪われ、先制ゴールに繋げられてしまったのだ。そのわずか3分後にも深井一希が自陣でボールを失い、追加点を奪われると、40分にはゴールキックを受けたキム・ミンテのボールロストからさらに失点。ミスの連鎖は後半に入っても止まらず、札幌のゴールネットは7度も揺れた。
 
 まさに、札幌の自滅だった。
 インターナショナルマッチウイーク明けのこの試合は札幌にとって、9月6日に北海道胆振東部地震が起きてから初めて迎える公式戦だった。
 
 地震が発生した6日は、4日間のオフを経てトレーニングが再開される予定だった。だが、選手たちは急きょ自宅待機を命じられ、オフはさらに2日間延びた。シーズン中に突如、身体を動かさない日が約1週間も続いたのだから、コンディションを取り戻すのは簡単なことではなかったはずだ。実際、「長い期間休んで、難しい部分はありました」と宮澤は告白する。停電や断水も続いたが、それでも「強い気持ちで、良いゲームを見せようと、自分たちができる限りの準備をしてきた」という。
 
 川崎の選手たちに次々と襲いかかってボールを奪い、荒野拓馬が、チャナティップが、都倉賢がゴールに迫った20分間は、その強い気持ちが凝縮されたものだった。
 ミスの連鎖を断ち切れなかったことは課題として残ったが、ポジティブな面がまるでなかったわけではないのだ。宮澤からまんまとボールを奪い取った中村も「あそこでゴールを許していたら、どうなっていたか分からない」と振り返っている。
 

次ページあの開始20分の攻めの姿勢を忘れなければ、札幌はさらに順位を上げられる

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