青森山田が指揮官不在で流経大柏に快勝! その陰に…キャプテン檀崎竜孔が明かした後悔と決意

2018年09月12日 安藤隆人

「キャプテンとしてこういう状況にしてしまったのは反省しています」

強豪・流経大柏戦で青森山田の勝利に大きく貢献したキャプテンの檀崎(10番)。この一戦に懸ける想いは強かった。写真:安藤隆人

 エースとして、キャプテンとして、何が何でも勝たないといけない試合だった。
 
 プレミアリーグEAST12節・流経大柏対青森山田の一戦で、10番を背負った青森山田のキャプテン、MF檀崎竜孔は、試合前から気迫が漲っていた。
 
 青森山田は2位につけ、対する流経大柏は3位。首位を独走する鹿島アントラーズユースにこれ以上のリードを許さないためにも、上位決戦は絶対に勝たなければいけない一戦だったのだが、この試合のベンチには黒田剛監督の姿がなかった。
 
 アウェーの試合だったが、黒田監督はこの時、青森に残っていた。この理由を正木昌宣コーチ(監督代行)がこう語った。
「今週、トレーニングの雰囲気が緩くて、木曜日に監督と僕らで話し合って、金曜日の練習は選手たちだけでスタッフが関わらないようにしました。試合前日のトレーニングも40分で切り上げて、今日の試合には黒田監督無しで戦うと伝えました」
 
 目を覚ませ――。指揮官の強烈な檄だった。
 
「キャプテンとしてこういう状況にしてしまったのは反省しています。これまでは監督やコーチに『何かしてもらって当たり前』の状況で、周りへの感謝の気持ちがチームとして薄れてしまっていた。もっと謙虚な気持ちで言われたことに素直に聞く耳を持ってやることは、インハイ後のミーティングで2冠世代のように成長し続ける、継続し続ける、学び続けることを確認したにもかかわらず、それが薄れていたので見放されたと思っています。言われたことだけでなく、もっと自分たちで取り組まないといけない。今年はチームとしての個性が強い分、それを良い方向に持っていくのが僕の仕事。木曜日に言われた時は、気付けなかった自分に気付いた。反省しています」
 
 インターハイは2回戦で昌平に2-0から試合をひっくり返されて、2-4というショッキングな敗戦を喫した。そこからプレミアチャンピオンシップと選手権の2冠を達成した一昨年のチームのように、インハイの敗戦を糧に巻き返そう(一昨年はインハイ準決勝で敗れた)と、檀崎を中心に決意を固めたはずだった。
 
 だが、インハイ直後の和倉ユースでも思うように立て直せず、プレミア後期の初戦も下位のジュビロ磐田U-18に引き分けるなど、思うような戦いが出来なかった。前節の富山一戦こそ4-0の大勝を収めたが、チームの雰囲気はどこか変わり切れていなかった。

「だからこそ、今日は絶対に勝たないといけない。このままズルズル行ってしまうか、ここで僕らが変われるか。それを分ける試合」
 
 檀崎の気迫はこの気持ちから湧き出ていた。檀崎だけではない、アビスパ福岡入団が内定しているCB三國ケネディエブス、さらにGK飯田雅浩、FW佐々木銀士など他の選手たちの目の色も違っていた。
 
 流経大柏を相手に立ち上がりから球際のバトル、空中戦で気迫溢れるプレーを見せ、攻守の切り替えも素早く、青森より10度以上高い気温の中の試合でも、スプリントを繰り返した。
 

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