戦列復帰を果たした中村俊輔とついに共演。衝撃の6失点でも大久保嘉人が前を向く理由

2018年09月02日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

大久保がゴール前の仕事に専念するためにも、中村の存在は必要不可欠

ついに初共演を果たした大久保(左)と中村(右)。ふたりのプレーが磐田浮上のカギとなる。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ25節]磐田1-6名古屋/9月1日/ヤマハ
 
 1-6。"風間グランパス"にまざまざと力の差を見せつけられた。
 
 0-1で折り返した後半、磐田は幾度もフィニッシュに持ち込まれる。イージーなパスミスも絡み、名古屋に後半だけで5ゴールを献上。攻めても相手を崩せず、シュートで終わるシーンは少なかった。攻守で課題を残す一戦だったのは間違いだろう。
 
 大敗を喫した試合後、大久保嘉人が口を開いた。
 
「何回今日はペナルティエリア内に入ったのかなと。全然触れなかった。もっとゴール前では大胆にいって欲しい」
 
 攻撃面で納得のいかない表情を見せた点取り屋はさらに続ける。

「さばいて中に入っても、体力を奪われてしまう。やり切れないから、そのままカウンターを浴びてしまう。大事なのはやり切ること」

 ゴールを奪う作業に集中すべき自分が、ゲームメイクに奔走せざる得ないチーム状況に難しさを感じているようだ。
 
 ただ、思い通りにいかなかったなかで光明もある。それが中村俊輔の復帰だ。
 
 5月19日のJ1リーグ15節の湘南戦に出場して以来、稀代の10番は負傷離脱していた。大久保が今夏に加入してからも別メニューが続いていたため、この名古屋戦が磐田での初共演。その中村が78分からトップ下を務めると、停滞していた攻撃が活性化していく。

 最終盤に中村のアシストから大井健太郎が1点を返したように、短い時間で結果を残した男の存在感はやはり別格だった。
 
 中盤で攻撃を司る男の帰還は、大久保にとっても大きな意味がある。名古屋戦で大久保は組み立てからフィニッシュまでをすべて請け負ったていたが、10番との共演はそうした状況を一変させる可能性を持っている。中村が高質な左足と中盤でタメを作るプレーで起点となれるため、大久保がゴール前の仕事に専念できるのだ。
 
「(中村選手のところで)落ち着くだろうし、中で崩すことができるようになると思う。俊さんが持った時は裏に飛び出ることを意識しているので、それは徐々にやっていきたい」

 大久保も中村がトップ下に入った際の動きはイメージ済み。幸いにも国際Aマッチデーのため、Jリーグは今節終了後から2週間中断する。連係を深めるには時間な十分だ。日本代表でも共闘してきたふたりとともに、磐田は巻き返しを図る。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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