トルシエ、オシムらとの違いは? 過去の初陣メンバーとの比較で浮かび上がる森保ジャパンの輪郭

2018年08月30日 本田健介(サッカーダイジェスト)

平均年齢は過去と大きく変わらず

現在、U-21代表を率いてアジア大会を戦っている森保監督。現地、インドネシアでA代表のメンバー発表を行なった。写真:徳丸篤史

 8月30日、9月7日にチリ代表(@札幌ド)、11日にコスタリカ代表(@吹田S)と対戦する森保ジャパンの初陣メンバーが発表された。世代交代の必要性が叫ばれるなか、23人のメンバーリストには、東京五輪世代の堂安律、冨安健洋、伊藤達哉らフレッシュな顔ぶれが並んだ。
 
 ここでは初出場を果たした1998年のフランス・ワールドカップから各大会後の初陣メンバーと、森保ジャパンの構成を比較してみた。
 
DATA1 平均年齢
■1998年 トルシエ体制初陣(22人)   25.31歳
■2002年 ジーコ体制初陣(23人)    26.39歳
■2006年 オシム体制初陣(19人)    24.63歳
■2010年 ザッケローニ体制初陣(25人) 25.36歳
■2014年 アギーレ体制初陣(23人)   25.26歳
■2018年 森保体制初陣(23人)     25.39歳
 
 まず平均年齢を比べてみると、過去の5人の監督が選んだ日本代表と大きな変化はなかった。過去、最も若かったのはオシム体制の24.63歳で、逆に最も高齢だったのは小村徳男(当時仙台、33歳)、名良橋晃(当時鹿島、30歳)らを復帰させたジーコ体制の26.93歳。森保体制はそれに次ぐ25.39歳となった。
 
 もっとも直近のロシア・ワールドカップの日本代表の平均年齢は参加32か国中8位の28.62歳だったことを考えれば、若返りを果たしたと言えるだろう。
 
DATA2 世代別の人数
■1998年 トルシエ体制初陣(22人) 
68年生まれ以前…3人 バルセロナ五輪世代…6人 アトランタ五輪世代…12人 シドニー五輪世代…1人

■2002年 ジーコ体制初陣(23人)
68年生まれ以前…1人 バルセロナ五輪世代…4人 アトランタ五輪世代…6人 シドニー五輪世代…12人 アテネ五輪世代…0人

■2006年 オシム体制初陣(19人)
アトランタ五輪世代…1人 シドニー五輪世代…5人 アテネ五輪世代…12人 北京五輪世代…1人

■2010年 ザッケローニ体制初陣(25人)
シドニー五輪世代…2人 アテネ五輪世代…9人 北京五輪世代…11人 ロンドン五輪世代…3人 

■2014年 アギーレ体制初陣(23人)
アテネ五輪世代…2人 北京五輪世代…10人 ロンドン五輪世代…10人 リオデジャネイロ五輪世代…1人 

■2018年 森保体制初陣(23人)
北京五輪世代…4人 ロンドン五輪世代…6人 リオデジャネイロ五輪世代…10人 東京五輪世代…3人 
 
 森保体制の最大勢力は遠藤航、大島僚太ら10人が選ばれたリオデジャネイロ五輪世代となった。さらに東京五輪世代も堂安ら3人がメンバー入り。平均年齢は過去とさほど変わらなかったが、多くの若手を組み込んでいることが分かる。一方、長谷部誠が代表引退したことも重なり、ロシア・ワールドカップではふたりが選ばれたアテネ五輪世代がメンバーリストから姿を消した。
 

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