イニエスタとポドルスキがいながら…神戸が抱える“由々しき問題”

2018年08月27日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

24節終了時点で31得点は、リーグ9位タイ

横浜戦でフル出場したイニエスタはチャンスメイクに尽力。しかしこの日はゴールを生み出せず。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ24節]神戸0-2横浜/8月26日/ノエビアスタジアム神戸
 
 ヴィッセル神戸はJ1の24節で横浜F・マリノスに0-2の敗戦。アンドレス・イニエスタとルーカス・ポドルスキが揃って先発して敗れたのは、この試合が初めて。勝敗を分けたのは、紛れもなく決定力の差だった。
 
 神戸が放ったシュート数は前後半合わせて18本。7本だった横浜の2倍以上の数だ。元スペイン代表のイニエスタ、元ドイツ代表のポドルスキを中心に攻撃を組み立て、再三、横浜ゴールを脅かした。それでも――。結局ノーゴールに終わった神戸は逆に、横浜に数少ない決定機をモノにされたのである。
 
 吉田孝行監督が「数多くのチャンスを自分たちは作れたと思う。やっぱりサッカーはゴールを多く決めたほうが勝つが、そこの部分が足りなかった」と振り返れば、選手たちも口を揃えて、フィニッシュの精度を嘆いた。
 
「単純にボールを持つだけじゃダメだし、最後のゴールのところを解決しなければいけないことは明確」(ポドルスキ)
 
「あれだけチャンスを作っていて、自分たちが先に決めることもできたはずでした。決めるべき時に決めないと、やっぱりああやって仕留められてしまう」(三田啓貴)
 
 課題は明らかだ。
 
 イニエスタとポドルスキの他、屈強なブラジル人FWウェリントン、今季注目度ナンバーワンのルーキー郷家友太など、多士済々な攻撃陣が不発だったのは、由々しき問題。この夏にガンバ大阪から加入したFWの長沢駿も、この横浜戦で途中出場して終盤に立て続けに決定機を得たが、枠を捉えられなかった。
 
「イニエスタからパスを受けて、トラップまでは完璧だった。GKの動きもすべてが見えていて、ちょこんと浮かせば入る形だったんですけど……そこの感覚というか、ちょっと当てすぎちゃった感じがあった。あれを決めていれば、違う形になったと思う」
 
 たかが、横浜戦の1試合でたまたま点が入らなかっただけ、と見過ごしてはいけないだろう。24節終了時点で31得点は、清水と並んでリーグ9位タイの数字で、現在5位という位置を考えると、物足りない。ゴール数を増やすためには、長沢が言うような細かな感覚の意識を研ぎ澄ます必要がある。

次ページ幸い、コンビネーションプレーの質は飛躍的に向上している

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