酒井宏樹の同僚となる可能性もあったバロテッリ、ニースへの電撃残留の理由を激白!「俺にとってカネは…」

2018年08月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

移籍先を模索する中で残留に傾かせたものは?

退団宣言や練習のボイコットなど、移籍が濃厚とされながらも、一転してニース残留を決めたバロテッリ(左)。その心を突き動かしたのは、ヴィエラ監督(右)の存在だった。 (C) REUTERS/AFLO

 サッカー界屈指の悪童は、なぜ残留を決意したのか? イタリア代表FWのマリオ・バロテッリはニースの公式チャンネルで、自身が今夏の移籍市場で退団しなかった理由を明かした。

 まさに急転直下の残留劇だった。2016年8月にニースへ加わって以来、公式戦66試合で43ゴールを挙げる活躍を披露してきたバロテッリは、再びステップアップをするため、今夏の退団を示唆。プレシーズン中の練習をボイコットする強硬手段を講じるなど、退団は濃厚視されていた。

 そんな中、ニースが8月20日に「背番号9は2018-19シーズンも、ともに冒険を続ける。マリオは残る決断を下し、クラブにその意思を示してくれた」と、残留を正式発表。23日からは、チームの練習にも復帰している。

「昨シーズンを終えた時、俺の希望は『退団』だった。クラブもそれを知っていた。ここにいたくなかったんだ」と当時を振り返るバロテッリ。そんな彼の気持ちを残留へ傾かせたのは、今シーズンからニースで指揮を執る元フランス代表MFのパトリック・ヴィエラの存在があったからだという。

「常に良い雰囲気があり、生活も素晴らしいし、クラブもチームメイトも素晴らしい。俺はここで自分を再発見したんだ。契約はあと1年ある。だから、最終的には残ることを決めた。

 これは誰の助言も受けず、俺がやりたいことと感覚から選んだ。俺は周りの人の声を尊重している。だけど、自分のキャリアの最終的な決断だけは、俺自身で下す。アドバイスをくれる人々はいるけどね。残りたかったから残ったんだ。

 より良いオファーを待って、待って、待った。去ろうとすれば簡単にできただろう。でも、リヴェール会長やヴィエラ監督と話しをしたんだ。彼らの提案は最高だったし、ヴィエラ監督が俺の考えを80%は変えてくれたね。だから、代理人に『あと1年残りたい』と伝えた」

 バロテッリの去就に関する噂は、いくつもメディアの間で囁かれていた。本人も、「5つのオファーはあった」と、それが事実だったことを明かしている。具体的な話し合いもあったようだ。

「マルセイユからはオファーがあったし、リュディ・ガルシア監督とも良い関係性にあると思うよ。ニースは今シーズン、ヨーロッパでプレーしない。でも、マルセイユはそうじゃない。それが移籍を選択肢として考えた理由の一つだ。ライバルクラブだろうとね。

 中国からは、とてつもなく大きなオファーが来ていた。ただ、俺はサッカーをするのが好きだし、代表で大きな大会に出たいと思ってる。それが中国に行ったら難しくなるだろ? つまり、サッカーが大好きで仕方がないんだ。俺にとってカネは二の次さ」

 現役時代に無敗優勝を成し遂げたアーセナルの主将として活躍するなど、勝者の何たるかを知るヴィエラ監督の下でのプレーを決めたバロテッリ。28歳のストライカーは、ニースでさらなる成長を遂げられるか? 今シーズンのパフォーマンスは、大きな注目を集めそうだ。
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