「再び日本に…」「残酷な幕切れ」ヤングなでしこへのリベンジ失敗にスペイン紙は悔恨

2018年08月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

4年前の雪辱は果たせず…

要所で迎えた得点機を確実に決め、世界一となった日本。その結果にスペイン紙は悔しさを滲ませた。 (C) Getty Images

 若きなでしこたちが、世界の舞台で大輪の花を咲かせた。

 現地時間24日にフランスで開催されたU-20女子ワールドカップの決勝で、日本がスペインを3-1と撃破し、同年代での初優勝を飾った。

 立ち上がりこそ互角の攻防を演じていたものの、日本は徐々にスペインのパス回しに翻弄され自陣に押し込まれた。しかし、38分に相手ゴールまで約20メートルの地点でボールを持った宮沢ひなたが、渾身のミドルシュートを突き刺して先制に成功。この1点のリードを保って迎えた57分には宝田沙織が、さらに65分には長野風花が、それぞれ、ゴールを決めて着実に差を広げていった。

 71分に一瞬の隙を突かれて失点を喫したものの、最後までリードを守り抜いた日本は、2011年のA代表、2014年のU-17での優勝に続き、3カテゴリーでFIFA主催の女子ワールドカップをすべて制した最初の国となった。

 快挙を成し遂げたヤングなでしこに屈するという結果を受け、スペインのメディアは一様に悔しさを滲ませている。というのも、この世代は、4年前にコスタリカで行なわれたU-17ワールドカップの決勝でも日本に敗れていたからだ。
 
 リベンジマッチに敗れた事実に対し、スペイン全国紙『AS』は、「スペインの栄光はこの90分間で止まった」と悔しさを滲ませた。

「日本は再び、ワールドカップを獲ろうとするこの世代の前に立ちはだかり、執行人となった。ラ・ロヒータ(女子スペイン代表の愛称)は、スペインの女子サッカー界において史上初の世界制覇まであと少しのところまで辿り着いた。だが、負けたいまは何も残っていない。一大叙事詩を描こうとしたが、すべてが夢となって消えた。この苦々しい銀メダルは何も価値を残さないかもしれないが、しかし、ここまでの道程で、この世代が作り上げたものはしっかりと評価したい」

 そして、同じく全国紙『Marca』は、4年前のリベンジを果たせなかったことに悔恨の念を綴っている。

「スペインはインテンシティ、判断力、そして多くのチャンスを創出して、日本を上回っているように見えた。だが、サッカーというのは、時に非道なものなのだ。結果は考えられる限り、最も残酷なかたちでの幕切れとなった。我々は4年前のコスタリカで直面した怒りと絶望に今一度さらされたのだから」

 いずれもラ・ロヒータのここまでの戦いぶりには一定の評価を与えながらも、さすがに盲目的な称賛報道とはなっていない。サッカーに対する厳しい目を持つスペインという国のプライドが、報道にも垣間見えるようだ。
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