【松本】ソリさん、半端ないって。めっちゃ握手するもん。そんなん出来ひんやん、普通

2018年08月24日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

決心して挨拶にうかがうと――

大きな声で指示を出し、熱のこもった指導をする反町監督の姿もあいかわらずだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 8月中旬、久しぶりに松本を訪れた。大きな声では言えないが、開幕直後に取材に来て以来である。つまり、約5か月ぶり……。担当でありながらも、申し訳ない気持ちで練習場に足を踏み入れた。

 まずはクラブの広報さんに挨拶をするべく、姿を見つけて歩み寄る。近くには、銀縁メガネをキラリと光らせる反町康治監督がいる。以前の取材で「今季も期待しています!」「楽しみです!!」なんて調子の良いことを言っておきながら、ろくに試合取材もできていない……あとでタイミングを見て挨拶しようと、なるべく気配を殺すようにしていると、広報さんが気を利かせてくれた。
 
「あそこに監督がいますから! さ、どうぞ!」
 
 ああ――。決心して挨拶にうかがうと、驚くべき展開が。
 
 クーラーボックスに腰を掛けていた反町監督は徐に立ち上がると、「おう、久しぶりだな!」とわざわざ手を差し伸べてくれたのだ。
 
 ソリさん、半端ないって。わざわざ立ちあがってめっちゃ握手するもん。そんなん出来ひんやん、普通。
 練習前のわずかな時間、少しだけ話をさせてもらった。「ご無沙汰してしまって、本当にすみません」と言えば、首位チームを率いる指揮官は「いいんだよ、弱いチームだから」とうそぶく。「でも、5連勝中だし、そのすべてが1点差の勝負を競り勝っているのは強い証拠ですよね」と食い下がれば、「運がいいんだよ」と短く言う。

 連勝中でも、首位を走っていても、まるで浮足立っていない。むしろ、その表情と言葉からは危機感が伝わってきた。

 その日は、岩上祐三のインタビュー取材だった。大宮からの移籍の経緯を訊けば、「監督がソリさんであることが、移籍を決めたひとつの大きな理由」とのことだ。
 
 午後練習を終えてからのインタビューで、岩上への取材を終えて外に出ると、すでに日が暮れかかっていた。遠くに目を凝らすと、またもや驚くべき光景が!
 
 当日はお盆時期で、本当にたくさんのファン・サポーターが練習場に訪れていた。練習後にはサインや写真撮影を待つ長蛇の列ができていた。その数もさすがに少なくなっていたが、最後まで対応をしていたのが反町監督だった――。
 

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