元日本代表、小林大悟がアメリカにこだわるワケ。「先輩たちには止められました(笑)」という渡米の経緯は?

2018年08月23日 佐々木裕介

アメリカ移籍の際には周囲の先輩たちに“まだ早いだろう”と止められた

アメリカで6年目を迎えた小林。当初はこれほど長くいることになるとは思わなかったという。写真:佐々木裕介

 2013年にアメリカに渡り、はや6年目のシーズンを迎えた。東京ヴェルディや大宮アルディージャで活躍した元日本代表の小林大悟は、アメリカでの選手生活にいかなる想いを抱いているのか。ロングインタビューの後編は、35歳を迎えた彼の現状とこれからに迫る。

 
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――こちらでの生活も6年目、結構長いなぁという印象を持ってしまうのですが。
「バンクーバーで1年、ボストンで4年、どちらも良い街でした。この国の空気感が肌に合っていて居心地が良いんでしょうね。昔からアメリカのものが好きで、日本にいた時はアメ車ばかり乗っていたりして。でも当初はここまで長居するとは思っていなかったですよ。現役最後は日本でプレーしたいと思っていましたし。でも今になったら、このままアメリカで終えるのも良いかなと思っているくらいです」
 
――当初MLSへ移籍する際に抵抗はなかったですか?
「個人的には30歳を前にしたアメリカ移籍もありかなと思っていたんですが、"まだ早いだろう"と周りの先輩たちには止められました(笑)。ただどの国でも1部リーグはレベルが高いし、このタイミングを逃したらもうないな、とも思ったので決断しました。いま思い返しても、良いタイミングでこっちへ来られたと思っています」
 
――今年は移籍(ラスベガス・ライツFC/2部に当たるユナイテッドサッカーリーグ所属)されて環境も変わりましたよね。
「初めての南のチームで、ラスベガスという場所柄、メキシコ色が非常に強い。今まで感じてきたアメリカのサッカーとはまた違うんですよ。新たなサッカーを勉強している感じです。ただ新しいチームなので、ある意味失うものもない訳で。そういう意味ではストレスはないです。暑さ以外はね(失笑/この時期のラスベガスは日中、連日40度を超える猛暑、チーム練習は夜に行なわれている)」
 
――ライツFCはどんなチームなんですか?
「USL(アメリカ2部)に所属する今年新設されたチームです。監督は自国では有名なメキシコ人で、キャプテンも元メキシコ代表(ホエル・ヒキ)だったり、MLSのチームで出場機会が少ない選手がローンで来ていたりもします。土地柄、ヒスパニック系ファンが多く、アメリカ人よりもサッカーに対して目が肥えている感じはありますよね」
 

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