【天皇杯】公式戦8戦7発の大暴れ!! “浦和のウルトラマン”が謙虚な心根で狙う2年前の再現

2018年08月23日 佐藤亮太

ファブリシオが目下、公式戦3試合連続ゴールと勢いが止まらない

公式戦8戦7発、3試合連続ゴールと絶好調のファブリシオ。浦和を12大会ぶりの頂点に導けるか。(C) SOCCER DIGEST

[天皇杯4回戦]浦和 1-0 東京V/8月22日/熊谷陸
 
"浦和のウルトラマン"が試合を決めた。
 
 天皇杯4回戦の浦和レッズ対東京ヴェルディは64分、岩波拓也のクロスに興梠慎三が頭で落としたところをファブリシオが右足で冷静に決め、先制点を挙げた。真っ先にゴール裏に向かったファブリシオは、ウルトラマンの代名詞「スペシウム光線」の構えを披露し、ゴール裏を沸かせた。この得点が決勝点となり、浦和が1-0で辛くも勝利を収めた。
 
 来季のACL出場を至上命題とする浦和にとって、天皇杯は一番の近道。12大会ぶりの覇権奪還への意気込みは柏木陽介、西川周作らレギュラー陣を揃えたことでも分かる。一方、J1昇格を目指す東京Vは出場機会の少ないメンバーを組んできたが、天皇杯はカテゴリーの差ですんなり勝てるほど甘くはない。
 
 苦戦はある程度、予想していた。今月4日、J2リーグ27節、東京Vが2対1で大宮アルディージャに勝ったこの試合を視察した浦和の分析スタッフは「3回戦で対戦した松本山雅よりやりやすいと思ったが、逆にやりづらい相手」と前線を起点に次々、スペースに走り込む東京Vのサッカーを警戒。その通りの展開となった。
 
 特に前半、浦和は防戦一方。押し込まれる展開に「想定内だったが、もっとできたはず」とボランチの青木拓矢が言えば、武藤雄樹は「こちらがボールを受けると相手は2、3人でガッと来る」と苦慮した様子。これは数字にも表われ、浦和は前半、6本のシュートを打ち込まれ、あわやのシーンもあった。
 
 しかし、後半、浦和が主導権を握ると、東京Vにはシュート1本とほぼ何もさせなかった。これは浦和が抑えたというより相手の運動量が落ちた結果だと言っていい。決める時に決める。守るべき時に守る。この差が1-0の結果につながった。
 
 それにしても神様・仏様・ファブリシオ様だ。加入後、公式戦8試合に出場して7ゴール。目下、公式戦3試合連続ゴール中と勢いは止まらない。
 

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