【浦和】36才のチームリーダーはやっぱり凄かった!槙野が痛感した圧倒的な阿部勇樹の存在感

2018年08月16日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

槙野が阿部の凄さとして挙げたのは”正確なラインコントロール”

11試合ぶりの先発出場となった阿部。改めて、不可欠な存在であることを感じさせるパフォーマンスを見せた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ22節]浦和4-0磐田/8月15日/埼玉スタジアム2002

 2試合連続で無得点に終わっていた浦和が4ゴールを奪い、3試合ぶりの勝利を挙げた。
 
 8月15日に行なわれたJ1リーグ22節の磐田戦。浦和は序盤からファブリシオと武藤雄樹を軸に攻め立て、統率の取れた守備組織をベースに相手のアタックを封じていく。

 前半こそスコアレスで終えたが、後半にファブリシオが爆発。自身J初のハットトリックを達成する活躍ぶりで、チームに勝点3をもたらした。
 
 スコアだけを見れば、攻撃陣が本領を発揮して掴んだ勝利のように見える。しかし、その快勝劇を呼び込んだのも守備陣の奮戦があってこそだ。
 
 試合後にチームの3点目を奪った槙野智章はこう話した。
 
「阿部選手が真ん中に入ることで、マウリシオ選手との大きな違いというのは人への強さももちろんありますが、なによりもラインの上げ下げによって全体をコンパクトにできること。それにより、中盤を押し上げ、セカンドボールを拾える。中盤の選手が相手の中盤にプレッシャーを掛けに行くことが、ここ数試合できていなかった。今日は阿部選手がコントロールをしてくれたので、それができたと思います」
 
 ロシア・ワールドカップにも参戦した守備者は、改めて阿部勇樹の存在感に驚かされたというのだ。
 
 この試合で3バックの中央に配置された阿部は、序盤からベテランらしい老練なプレーを見せる。的確な指示出しで守備陣を統率し、ビルドアップでは正確なパスで攻撃を下支えした。そして、なにより凄かったのは、槙野が振り返ったように的確なラインコントロールである。

 両脇に従えた岩波拓也と槙野を巧みに操り、最前線と最後尾の距離感を調整。相手を監視しながら、状況に応じて最終ラインを押し上げていく。常にコンパクトな陣形を保つべく、経験に裏打ちされた立ち振る舞いは見事だった。

 36才のチームリーダーは大ベテランの域に差し掛かり、フル稼働するのは厳しくなっているかもしれない。今季も15試合に出場しているが、先発出場は前節まで僅かに6試合。この磐田戦は11試合ぶりとなるスタメン起用だった。そうした状況でも難なく任務を遂行する阿部は、まだまだチームに不可欠な人材だと言えるだろう。

次ページ次の清水戦で阿部はスタメンに名を連ねるのか

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