【総体】J注目の逸材が再び躍動!桐光学園の2年生10番は大会の主役になれるのか

2018年08月13日 川端暁彦

「(ハットトリックした)富山一戦から調子が上がっている」(西川)

準決勝の昌平戦で1ゴール・2アシスト。そのプレーぶりに鈴木監督も西川の成長を認めるほどだ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[インターハイ準決勝]桐光学園3‐2昌平/8月12日/三重交通G

「桐光学園にはスペシャルな選手もいるので」
 
 インターハイの準々決勝終了後、昌平(埼玉1)・藤島崇之監督が漏らしていたひと言には何の含意もなかったのだと思うが、現実として準決勝の昌平はまさにその「スペシャル」によって撃ち抜かれる形となった。
 
 桐光学園(神奈川2)との準決勝前半はむしろ昌平ペースだったが、「そこで決め切れなかったこと」と藤島監督が振り返ったように、後半開始から桐光学園の猛ラッシュを受ける形で6分間で3失点と崩れてしまった、否、桐光学園が崩したと表現されるべきだろう。
 
 主役は注目の2年生FWの西川潤だ。9月に最終予選を控えるU-16日本代表でも中心選手として期待される逸材は、前半は絶好機を外すなど不発に終わっていたが、後半に大爆発。

 まずは後半5分、国谷敦史(3年)のショートCKを左サイドで受けると、素早いクロスでDF内田拓寿(3年)のヘディングゴールをアシストする。

 続く後半7分には左サイドの浅い位置でボールを持った左SB金子開研(3年)からのロングスルーパスを巧みな動き出しで引き出し、そのままドリブルを開始。大会屈指のDF関根浩平(3年)の追走を振り切って左足でゴールネットを揺らす。

 さらに後半10分、今度は右CKをDF望月駿介(3年)の頭にピタリと合わせ、3点目をアシストしてみせた。
 
「(内田と望月は)高さがあるので本当に合わせやすいですから」とアシストについて事も無げに振り返った西川は、「(ハットトリックした)富山一戦から調子が上がっている感じはあります」とニコリ。詰め掛けた多くのJクラブのスカウト陣が西川に高評価を与えており、2年生にして早くも争奪戦になりそうな気配が漂っている。
 
 1年生から西川を辛抱強く指導してきた鈴木勝大監督はこういう言葉でエースの現状と成長を形容した。
 
「本当に良くなってきたと思います。彼は『もっと成長するために、もっと戦える選手になるために高校サッカーでやりたい』と言って(横浜ユースへの昇格ではなく)高校サッカーを選んでくれた選手。

 そういう選手を預かった責任があると思ってやってきた。正直に言って、技術的な部分で自分が彼に教えられることはそんなにあると思っていないんです。でも、こっち(ハート)については違いますから」

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