【総体】4時間半の中断時間を選手たちはどう過ごしたのか? 6時間を超えた熱戦の舞台裏

2018年08月12日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

雷の影響で2度の中断。過去に経験のない異例の事態に選手たちは...

6時間の死闘を戦った両チーム。4時間半も中断するという異例の事態にも、動揺せずにしっかりと戦い抜いた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[インターハイ準決勝]桐光学園3‐2昌平/8月12日/三重交通G

 キックオフをしたのは11時。試合が終了した時、時計の針は17時20分を超えていた。
 
 8月12日に行なわれたインターハイの準決勝、桐光学園対昌平の一戦は異例の事態に見舞われた。0-0で折り返した後半の10分までに、桐光学園が一気呵成の攻めで3点を奪取。

 異変が起こったのはその直後だ。スタジアムに雷鳴が轟き、稲妻が走った。

 雷の影響で試合は後半12分40秒で一時中断することに。しかし、待てど暮らせど、天候はいっこうに回復せず、時計の針だけが進んでいく。

 大会主催者側もすぐに再開できると見込んでいたが、天候はひどくなるばかり。雨は強まり、雷は鳴り続けた。13時30分に協議するも再開の目途が立たず、14時45分過ぎにはスタジアム全体が停電。非常用バッテリーなどで選手の控室などは問題なかったが、その他の部屋は暗闇に包まれてしまった。

 その後、16時に大会側が再度協議。雷の危険性がなくなったため、選手たちのコンディションを考慮したうえで16時10分にアップ開始、16時半に試合再開となった。

 3-0で桐光学園がリードしている展開で再び始まった準決勝。直後に昌平が森田翔(3年)のゴールで1点を返し、反撃のムードが高まるなかで迎えた最終盤の後半33分だ。再び、雷が鳴ったことで試合が止まり、2度目の中断となってしまった。

 またしても、雷に行く手を阻まれたが、今回は30分後に再スタート。アディショナルタイムに昌平が須藤直輝(1年)の得点で1点を返したが、桐光学園が何とか逃げ切って3-2で決勝進出を決めた。
 
 終了のホイッスルが鳴るまでに、6時間半を要した一戦。やはり、気になるのは4時間半も空いた1度目の中断中に、選手やスタッフがどのように過ごしていたのかである。
 
 試合後に両チームに話を聞いてみると、当初の予定ではすぐに試合が再開されると見込んでいたという。そのため、4時間半をロッカールームで過ごす形になったのは、予想外の出来事だったようだ。
 
 再開時間が定まっていれば、食事を取るタイミングなども含めて先を見越した行動を取れたかもしれない。選手たちもオンとオフのスイッチを切り替えやすくなるだろう。

 ただ、今回はいつ再開されるか分からない状態。12時から4時過ぎまでひとつの部屋にいれば、気は滅入る。試合に対してのモチベーションを維持する作業も難儀だ。両チームとも中断期間の過ごし方には四苦八苦したが、思いのほか時間を上手く使えたようだ。

次ページ場内は停電したが、選手たちの控室は非常用電源などで事なきを得た

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