【番記者通信】このままでは香川は売却か|マンチェスター・U

2014年03月04日 マーク・オグデン

ギュンドアンやロイスの交換要員として?

ポジションや役割が重なるマタ(左)の加入で、ビッグクラブでの競争の厳しさを再認識したはず。指揮官の構想から外れつつある香川、このままでは売却か。 (C) Getty Images

 雲行きがかなり怪しくなってきた。香川真司のマンチェスターでの先行きだ。

 先発が期待された、オリンピアコスとのチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント1回戦・第1レグ(2月25日)もベンチスタートだった。ポジションを争うライバルのファン・マヌエル・マタが、カップタイド(注:同一シーズンに異なる2チームから同一大会への出場を禁じたUEFAのルール)で出場できないアドバンテージがあるにもかかわらず、香川は先発から外れた。デイビッド・モイーズ監督の構想から外れかけているのは明らかだ。

 それでも、オリンピアコス戦は60分から“切り札”として登場。2つの決定機を作るなど、動き自体は悪くなかった。だがドルトムント時代に比べると自信を失っているように映るのは、私だけでないはずだ。

 香川の課題は、フィジカルにある。プレミアリーグでは激しい当たりに負けない屈強な身体が求められる。線の細い香川は、この課題を克服できていない。さらに、スペイン代表のマタの加入で、ビッグクラブで生き抜くことの難しさも感じたはずだ。結果を残さなければ、すぐに代わりの選手が入ってくるという厳しさだ。

 指揮官モイーズは、今オフにスカッドを一新すると見られている。今シーズン限りでの退団をすでに表明したネマニャ・ヴィディッチのほか、リオ・ファーディナンドとライアン・ギグスは引退を決意してチームを去るのではないか。パトリス・エブラとアシュリー・ヤング、トム・クレバリー、クリス・スモーリング、そしてハビエル・エルナンデスの去就も不透明だ。このままでは、香川も売却されるだろう。

 折しもクラブ周辺で囁かれているのは、ドルトムントのイルカイ・ギュンドアンとマルコ・ロイスの獲得だ。交換条件の一部として、香川が差し出されることになっても驚きはない。

【記者】
Marc OGDEN|Daily Telegraph
マーク・オグデン
英高級紙で最大の発行部数を誇る『デイリー・テレグラフ』のユナイテッド番を務める花形で、アレックス・ファーガソン前監督の勇退をスクープした敏腕だ。他国のサッカー事情に通暁し、緻密かつ冷静な分析に基づいた記事で抜群の信頼を得ている。

【翻訳】
田嶋康輔
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