松波新GM誕生! ふたりの“ミスター”が舵を取る新生ガンバ、その期待と不安

2018年08月09日 飯間 健

「心のないヤツをサポートするほどの余裕は今のガンバ大阪にはない」

新たに強化部長に就任した松波氏。クラブをJ1残留に導けるか。(C) SOCCER DIGEST

 またしても緊急登板だった。ガンバ大阪は8日、成績不振の責任を取って梶居勝志強化部長の辞任を発表。そして後任に"ミスターガンバ"松波正信氏(アカデミーダイレクター)の新任が決まった。
 
「ありがたいこと。期待してくれてポストを用意してくれるのは、この上ない感謝」
 
 12年には3月末にセホーン監督の後を受け、トップチームの監督に就任。当時も開幕から公式戦5連敗していた火事場の中での登用だった。今回は現場ではなくフロントの立場だが、愛するクラブの危機に立ち上がった。
 
 現役時代から強化部は「査定をする人」「契約交渉の時に話す人」というイメージしかなく、「そんなに知識もないし、(日々)どんなことをやっているかも知らない」という。「やれることは少ない」。松波新強化部長も自覚しており、8月17日に締め切られる夏の移籍市場にはほぼノータッチ。ただ、このタイミングで"ミスターガンバ"がフロントのトップに立ったのは、無形の効果があるだろう。
 
「熱い人だなと思いました」と目を輝かせたのは若手成長株のDF初瀬亮。松波新強化部長は選手との挨拶で「心のないヤツをサポートするほどの余裕は今のガンバ大阪にはない。情熱を持ってやろう」と話したという。現チームで松波氏とプレー経験があるのは、今年38歳を迎えた元日本代表MFの遠藤保仁のみ。だが16年間の現役生活すべてを青と黒のユニホームで過ごしたレジェンドの名前を知らない選手はいない。その言葉には、シンプルな一言でも重みがある。
 
 例えば「強いチームとは?」という問いに対しての答えは「一致かな」だった。
「選手の一致、スタッフの一致ですね。ガンバのスタイルであったり。すべてにおいて一致したのが2005年だと思う。チームはいつも動いている。1週間、1か月単位、1年単位。常に一致させるようにしたい。それは現場だけではなく、フロント含めての一致があれば。それがハッキリすれば、向くところは一緒」
 
 G大阪がお荷物クラブと揶揄された時代から05年のリーグ初優勝まで経験。強くなった過程を知っているし、宮本恒靖監督とは違った立場から選手にアプローチしていくことができる。
 

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