今季最多の約4万5000人動員…“イニエスタ効果”で引き出されたFC東京のポテンシャル

2018年08月06日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「ポテンシャルを引き出したのが今回はイニエスタだったけど」(森重)

神戸戦は終盤に決勝点を奪う劇的な勝利。サポーターも興奮したはずだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ20節]FC東京1-0神戸/8月5日/味の素スタジアム
 
 味の素スタジアムで開催された、J1・20節のFC東京対神戸戦は、アンドレス・イニエスタというネームバリューの高さとともに、FC東京というクラブの可能性が示された試合だった。
 
 90分のリンスの勝ち越しゴールで、ホームのFC東京が神戸を破った一戦だ。
 
 この試合の観客動員数は、なんと今季全クラブ中最多の4万4801人。FC東京の歴史上でも、2001年J1・13節の鹿島戦、2002年J1・9節の磐田戦に次ぐ3番目に多い記録だった。
 
 この夏にイニエスタの神戸加入が決まってから、早々に全券種のチケットが完売していたのだが、しかし肝心のイニエスタは、家族と再来日するために一時スペインに帰国しており、まさかの欠場。多くのファンがガッカリしたことだろう。
 
 それでもおよそ4万5000人が集まるのだから、首都クラブのポテンシャルは凄まじい。集客方法によっては、それだけ多くのサッカーファンをスタジアムに呼べるということだ。
 
 今年で在籍9年目を迎える森重真人は神戸戦の後、こう語っている。
 
「これだけの人が入るポテンシャルがあることを証明できたと思う。それを引き出したのが、今回はイニエスタでしたけど、自分たちが勝ち続けることでも、もっと人を集められると証明できるはず。今日はひとつ良いモノサシになった」
 
 空前の"イニエスタ・フィーバー"、もしくは"フェルナンド・トーレス・フィーバー"により観客数は飛躍的に伸びているものの、当然理想はそうした世界的スターの名前を借りずとも、コンスタントに味の素スタジアムを満員にすることであることは間違いない。
 
 サポーターを増やすための最高の方法は、勝ち続け、タイトルを獲得することだろう。20試合を終えた時点でFC東京は2位。最大で10ポイントあった首位・広島との勝点差は、5ポイント差まで縮まっている。
 
 大差をひっくり返しての逆転優勝が実現できれば――。FC東京にとって、今季はひとつのターニングポイントになるかもしれない。
 
【FC東京 1-0 神戸 PHOTO】偽イニエスタも現る!4万超えの味スタ、試合終了間際にリンスがゴール!

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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