金崎夢生は鳥栖の「救世主」となれるのか?イタリア人指揮官が絶賛したのは…

2018年07月27日 松岡蒼大

指揮官から高評価を受ける金崎。F・トーレスについて言及も

フィッカデンティ監督が評価したのはパーソナリティー。下位脱却のキーマンとして期待を懸けている。写真:松岡蒼大

「目に見える、分かりやすい形で結果を出す」
 
 鹿島から鳥栖に完全移籍で加入した金崎夢生は、新天地での抱負をシンプルに語った。
 
 今季、金崎は鹿島の10番を背負い、リーグ戦中断までの14試合すべてで先発出場。7得点を挙げ、ストライカーとしての役割をまっとうしていた。

 しかし、新天地となる鳥栖は17位とJ2降格圏に低迷している。金崎を鳥栖へと突き動かしたものとはなんだったのか?
「新しいチャレンジをしたいという気持ちとサガン鳥栖というチームに惹かれた部分が大きい。社長の人柄や話し方などを見ても、魅力を感じる。そういうのを含めてサガン鳥栖でプレーしたいと思った。Jリーグ(のホームタウン)でも規模が小さい街ということなので、そういう街からJリーグを盛り上げたい」

 まさに、クラブの未来像が金崎の心を動かした形だが、過密日程となった4月からの約1か月で、鳥栖はリーグ戦7連敗。得点数はリーグ最少の15で決定力不足に悩まされたチームは、金崎だけではなく今夏に元スペイン代表のフェルナンド・トーレスを獲得して状況の打破を試みている。
 
 欧州のビッグクラブを渡り歩き、数々のタイトルを獲得してきた世界的スターと、日本屈指のストライカーのコンビネーション。得点力向上の鍵になるのは明白で、金崎も「素晴らしい選手であることは、僕も含めてみんなも知っている。彼をどう生かすかがチームにとっても、彼にとっても大事。彼を生かせれば、チームはよくなる」と自覚する。

 マッシモ・フィッカデンティ監督は金崎について、「日本屈指のアタッカー。彼の性格、プレースタイル、そして強いパーソナリティーを気に入っている」と絶賛。「彼がチームをよい方向へ軌道修正してくれる」と大きな期待を寄せている。
 
 そこで気になるのは、金崎の起用法だ。今季の鳥栖はこれまで元コロンビア代表のイバルボ、技術に優れる小野裕二、進境著しいU-21日本代表の田川亨介を主体に2トップと3トップを併用してきたが、金崎、F・トーレスという実力者の加入で選択肢は一気に広がった。

次ページ金崎、F・トーレス、豊田、田川、小野。鳥栖の前線は誰が担うのか

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