古巣・浦和にぶつけた想い。強烈なブーイング、恩返し弾に高木俊幸は何を思ったのか?

2018年07月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

試合前の選手紹介ではブーイングを浴びながらも気持ちを奮い立たせた

高木が古巣の浦和相手に1ゴール。恩返し弾を奪ってみせた。写真:徳原隆元

[J1リーグ17節]C大阪1-1浦和/7月22日/ヤンマー
 
 思いをぶつけるかのように試合開始から仕掛けた。セレッソ大阪の左MFとして2試合ぶりに先発起用された高木俊幸は、4分にソウザへパスを通して好機を演出。7分には左サイドから中央へと切れ込み、右足でミドルシュートを放った。
 
 ゴールへの強い意識は早くも形につながる。8分、ソウザの蹴った左CKを浦和のGK西川周作がパンチングミス。これが相手DFに当たり、高木のもとへこぼれてきた。「もう、決めるしかなかった」。左足で押し込みネットを揺らすと、ベンチへと走り喜びを分かち合った。
 
「レッズにいた時はタイトルを取ったり良い思い出があるけど、試合に思うように出られていなかった部分もある。そういう悔しさも残しながら、セレッソで今年、チャレンジすることを決めて、今日その相手との試合で得点を奪えたということは素直に嬉しかった」
 
 15年から昨季まで3年間にわたって浦和に在籍。ACL制覇に貢献するなど活躍もあったが、昨季はリーグ戦12試合出場に止まるなど、思うようにピッチに立つことはできなかった。オフにC大阪から正式オファーが届き、自身3度目となる移籍を決断。試合前の選手紹介の時から浦和サポーターのブーイングを浴びながらも、自らの存在価値を見せようと気持ちを奮い立たせていた。
 
「(ブーイングは)聞こえていなかったですね(笑)。レッズのサポーターの印象というのは、今日はいつもほどたくさん来られてはいなかったけど、でもやっぱり声量がすごく大きいし、1人1人の歌う力がある。試合前から、セレッソのサポーターに負けないぐらいレッズの応援が聞こえてきていたんで、サポーターの力はやっぱりあるなと思った」
 
 主導権を握られ続けた後半、78分にCKから同点に追いつかれると、再びギアを入れた高木は左サイドを縦に仕掛けてゴールに迫った。だが、ヨニッチのヘディングシュートがバーに阻まれるなど運にも見放され、試合終了と同時に高木はピッチに倒れ込んだ。
 
「なんとか最後、1点を取って勝ちにつなげたいって気持ちは見せたけど……。疲れてきている中で(プレーの)質は落ちていたし、そういう中でも精度を上げていかないと勝ちきれない」
 

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