「誇らしい」「待ち望んだ感動をありがとう」 決勝で涙を呑んだクロアチアに母国紙は賛辞!【ロシアW杯】

2018年07月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「モドリッチが見せた美徳から何を学べるだろう?」

惜しくもW杯制覇の夢は叶わなかったクロアチア。だが、あと一歩のところまで辿り着いた代表戦士たちの健闘は、高く評価されている。 (C) Getty Images

【7月11日・ルジニキ|決勝 クロアチア 2-4 フランス】

 開始早々にマリオ・マンジュキッチのオウンゴールで先制点を許したクロアチアは、28分にイバン・ペリシッチの豪快な一撃で同点とするも、38分にそのペリシッチがハンドでVAR判定の末にPKを献上。これをアントワーヌ・グリエーズマンに決められて勝ち越しを許した。

 後半、攻勢に転じたクロアチアだったが、59分にポール・ポグバ、65分にキリアン・エムバペに得点を許して差を広げられ、反撃もマンジュキッチが1点を返すのが精一杯だった。

 最終的に2-4というスコアでの敗戦となったが、クロアチア・メディアは史上初のW杯決勝まで勝ち進み、一時はフランスを苦しめた母国の英雄たちに賛辞を寄せている。

 クロアチアの地方都市スプリトの地元紙『SLOBODNA』は、「ヴァトレニ(※炎の意。クロアチア代表の愛称)は、フランスを支配したが敗れた…」と悲痛な見出しを打ちながらも、「クロアチアにとって最も重要な日で、この国のサッカー史において最も重みのある試合だった。戦士たちはフランスを支配していたし、よくやったと言える」と称えた。

 また、クロアチアの首都ザグレブの地元紙『Večernji list』は、「ヴァトレニは我々の誇り! 決勝ではフランスより良く、世界で2位となった」と銘打ったマッチレポートで、次のように褒めちぎった。

「今の感情は決して甘美なものではないが、我々は清々しく、最も美しいチームだった。2-4と敗れたが、世界の頂にいると言っていいだろう。この1か月で経験したことは、何事にも変えられないかけがえのないものだ。英雄たちにはブラボーという言葉を送りたい。この国が何十年と必要としていた感動をありがとう」

 また『Večernji list』は、大会MVPに輝き、キャプテンとしてチームを牽引したルカ・モドリッチへ賛辞と感謝の言葉を記し、読者にはある問いかけをしている。

「この国が必要としていた努力、謙遜、自己犠牲心、知識、そして才能をルカ・モドリッチは示してくれた。チームの最も重要な戦士だった彼は、人間の美徳というものを見せ、長らく求められてきた情熱を蘇らせてくれた。我々は彼らの冒険と一大ムーブメントから、一体何を学べるだろうか?」

 惜しくも悲願の世界制覇を成し遂げることはできなかったクロアチアだが、その大会を通しての奮闘ぶりは、自国メディアはもとより、国民の感動を誘った。そんな彼らの振る舞いは、間違いなくグッドルーザーと呼ぶにふさわしいものだった。
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