【セルジオ越後】"空白"を埋めるには世代交代が不可欠。森保監督に任せるのもひとつの手だ

2018年07月12日 サッカーダイジェスト編集部

ビジョンを示したうえで、次なる人材を探すべき

監督の選定は技術委員会の仕事のはず。そこをすっ飛ばして、いきなり田嶋会長に”直撃”するのはどうかと思うよ。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

 ロシア・ワールドカップはいよいよ決勝戦と3位決定戦を残すのみとなったけど、ラウンド16で大会を去った日本では、早くも次期代表監督の人選に注目が集まっているね。
 
 何人かの候補者が紙面を賑わしているけど、その前にやるべきことがある。まずは、今回のロシア大会における日本の戦いぶりをどう評価するか。それが済んでいないのに、次の監督を決めるというのは、順番が違うと思うんだ。
 
 世界の舞台で明らかになった日本の強みと弱み。それを踏まえて、今後のビジョンが示されたうえで、さらなる強化に必要な人材は誰なのかという話になるのが普通だよね。
 
 でも、メディアは待ち切れないから、敗退が決まってそれほど時間が経っていないのに、西野の続投はどうなのかとか、クリンスマンにアプローチしているとか、煽るようなニュースを流している。
 
 しかも、取材対象者となったり、コメントが使われたりするのは、たいがいが田嶋会長だ。これにも違和感が拭えないよ。監督人事は、技術委員会の仕事のはず。そこをすっ飛ばして、トップに話を聞きに行くのはどうなのかな。
 
 メディアのこうした姿勢が、逆に技術委員会の価値を低くしてしまったり、協会の独裁的な体制作りを助長させているのではないかと不安になるんだ。そのくせ、何か問題があれば「組織が機能していない」と糾弾する。その機能していない組織を、ちゃんと取材して、正すように導くのも、メディアのひとつの役目だよ。

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