天皇杯でプロ相手に躍動!関西学院大の超逸材は高校時代から何が変わったのか?

2018年07月12日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

Jクラブ相手に存在感を示した山本。高校時代から注目を集めていたが…

ゴールに結びつくプレーはなかったが、攻撃面で違いを発揮。守備でも成長の跡を見せた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 2回戦のG大阪戦に続く、ジャイアントキリングを狙った関西学院大だったが、11日の天皇杯3回戦・東京V戦はあと一歩のところで涙を飲んだ。互角以上の戦いを見せるも、42分に失点。後半も相手の倍以上の決定機を作りながら、0-1の敗戦でベスト16進出は叶わなかった。
 
 ゲーム内容だけを見れば、関西学院大が勝者になっていても不思議ではなかった。とりわけ、攻撃を牽引した司令塔・山本悠樹のプレーは圧巻。大学生活3年目を迎えた男は献身的に守備をこなしつつ、持ち前のテクニックを利したプレーで東京Vを翻弄した。

 相手DFの若狭大志も「パスを出すタイミングとか本当に上手かった」と称賛。試合後に若狭は関西学院大のOBで今季からチームメイトになった森俊介に「あの29番上手いね。名前はなんて言うの?」と聞きに行ったほどで、この試合のパフォーマンスが図抜けていたことが窺える。
 
 では何故、これほどのタレントが大学サッカー界で技を磨いているのか。話は高校時代まで遡る。

 山本は草津東高時代から将来を嘱望される存在だった。最初にその名を知らしめたのは高校2年の冬、高校選手権2回戦の東福岡戦だ。当時の東福岡は夏のインターハイを制し、冬も優勝候補の筆頭と目される存在。そんな絶対王者と早々に対戦すると、戦前の予想通り、0-3の敗戦を喫した。だた、山本はキレのあるスルーパスを相手の背後に何本も供給。相手守備陣を手玉に取り、2年生10番は一気にその存在を全国に知らしめた。

 迎えた最終学年は高校年代屈指の司令塔として、注目を集めたのは言うまでもない。Jクラブのスカウトも動向を注視するほどの存在で、C大阪の練習にも参加。しかし、日本代表の山口蛍にレベルの差を突き付けられるなど、プロの世界はそう甘くはなかった。攻撃面は高い評価を受けた一方で、課題だった守備面の難を克服できず。卒業後は関西学院大に進む形となった。

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