【ブラジル1-2ベルギー|W杯採点・寸評】 王国相手に「ため息が漏れるほど美しいミドル」を決めたデ・ブルイネがMOMに!

2018年07月07日 内藤秀明・井川洋一

ブラジル――盤石と思われた王国だったが。

(C)SOCCER DIGEST

[ロシアW杯準々決勝]ブラジル1-2ベルギー/7月6日/カザン・アレーナ(カザン)

【ブラジル|採点・寸評】
チーム 5.5

試合を通して互角の戦いを披露したが、再三の決定機を逸したツケを払わされた。序盤のチャンスを決められず、カゼミーロの代役のフェルナンジーニョがオウンゴール。日本戦とは異なり最初から全開のベルギーを勢いづかせ、偽9番のデ・ブルイネを捕まえきれず、何度もチャンスをつくられたのち、そのデ・ブルイネに圧巻の一撃を決められてリードが広がった。左からの攻撃は完全に研究され、ムニエ、ヴィツェル、フェライニ、アルデルワイレルドの高く硬い壁を崩せず。後半は形と人を変えて、ひたすら猛攻を仕掛けたが、クルトワのビッグセーブとシュートミスにより、26本のシュートを放ちながらレナト・アウグストの1点にとどまった。磐石と思われた王国が、ベスト8でその歩みを止めた。

[GK]
1 アリソン 5.5

不運な1失点目はノーチャンスで、2失点目もデ・ブルイネのシュートを褒めるべき。40分のデ・ブルイネのFK、その後のCKからのコンパニのヘッドはしっかり弾くなど、最低限の仕事は果たした。

[DF]
2 チアゴ・シウバ 5.5

序盤に訪れたCKからの決定機をポストに当ててしまう。ディフェンス面では高い相手にも空中戦で競り合い、読みを生かしたインターセプトやカバーリングを見せたが、良い時の圧巻の姿はなかった。

3 ミランダ 6
主将を任され、劣勢のチームを懸命に鼓舞した。ルカクと激しく渡り合い、空中戦、地上戦ともに身体を張った気迫の守備を披露したが、ボックス内で又抜きを許すことも。セットプレーではニアでフリックする役回りをこなした。

12 マルセロ 6
負傷から復帰して、いつも通りに高い位置で攻撃を活性化させ、大胆なミドルや鋭いクロスを放った。デ・ブルイネの得点シーンは外側に敵がいたとはいえ、もう少し寄せるべきだったか。その後は猛攻を支え、敵の決定機を防ぐインターセプトなども。

22 ファグネル 5
アザールのスピードに手を焼き、常に後手に回った印象。攻撃面では前方のウィリアンとドグラス・コスタをうまくサポートできなかった。集中力は持続させ、後半にも足を止めることはなかったが、全般的に力不足だったか。
 
[MF]
11 コウチーニョ 6.5

前半は左サイドにそびえ立つ相手の強固な壁に苦労したものの、可能性を感じさせた数少ない選手のひとり。得意の内巻きのミドルはファインセーブに阻まれたが、高精度の浮き玉のパスを完璧なタイミングで送り、レナト・アウグストのゴールを演出した。ただ、83分の決定機はせめて枠に飛ばしたかった。

15 パウリーニョ 5(73分OUT)
序盤のCKからのチャンスはミートできず。危険なクロスをカットしたり、ボックス内に突進することもあったが、全般的に影が薄かった。神出鬼没な動きのデ・ブルイネも捕まえきれなかった。

17 フェルナンジーニョ 4.5
マンチェスター・Cでの自信に満ちた姿とは別人のようだった。同僚のデ・ブルイネに競り負け、オウンゴールは不運だったとはいえ、試合にうまく入れず、パスミスも多数。ルカクやアザールにあっさり抜かれるシーンも多かった。終盤はミスを取り戻そうと奮闘し、大きな相手にも空中戦で勝ったりしたが、不安定な時間があまりにも長かった。
 

次ページブラジル――ネイマールは相手の10番に見劣り。

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