【日本代表】勝負の分かれ目になった69分の失点、GK川島永嗣の対応は正解だったのか?

2018年07月03日 清水英斗

ベルギー戦のサッカーは並外れて素晴らしかった

今回のワールドカップは4試合に出場。川島は正GKとしてフル稼働した。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

 親善試合のパラグアイ戦をベースに、コロンビア戦、セネガル戦で自信を付け、今回が3度目となるベルギー戦のスタメン11人。彼らのサッカーは並外れて素晴らしかった。間違いなく世界は驚き、ひっくり返った。実際、「日本はフットボールをしろ!」と厳しい声をかけられた数日前から、「日本は最高だ!」と180度ひっくり返ったのだから。
 
 48分の先制ゴールは、乾貴士のインターセプトから始まった。ワンツーで中へ切り込むパスに、鋭く寄せてカット。入れ替わりに成功すると、大きく空いた中盤から柴崎岳を経由し、原口元気へスルーパス。テンポ良くボールを運ぶ日本の良さが現れたカウンターだった。そこにDFフェルトンゲンの処理ミスが重なり、思わぬチャンスがこぼれてきた。
 
 ボールを受けた原口だが、シュートの角度が狭いため、中への切り返しをうかがう。しかし、追走するDFフェルトンゲンが中を切ってきたため、もう一度縦へ。この動きがGKティボー・クルトワに対する絶妙なフェイントになった。縦にボールが転がったため、ポジションを細かくニアサイドへ修正するGKクルトワ。結果として、ファーサイドへのシュートが逆モーションで反応できず、最高の精度で蹴られた原口のシュートがゴールネットを揺らした。
 
 この先制ゴールから1分後、日本はベルギーの反撃に遭い、ムニエのスルーパスで抜け出したメルテンスの折り返しから、アザールが決定機を迎えたが、ゴールポストを直撃。
 
 すると52分、日本が追加点を奪った。乾貴士のクロスが跳ね返されたところを、香川真司が拾い、カカトでバックパス。乾はすぐに右足を振り抜いた。目の前にいたMFヴィツェルがブラインドになり、見事な無回転シュートがゴール隅へ。パラグアイ戦、セネガル戦と、良いイメージのあった乾のシュートがここでも決まった。
 
 2-0とリード。ベルギーの決定機は日本守備陣の決死のブロックによって防がれ、逆に日本は、より難しいゴールを決めた。ここまでは最高の流れだった。しかし、ベルギーは65分にフェライニを入れて、高さ勝負へ。その4分後、69分に1点を返されてしまう。ここが勝負の分かれ目だった。
 

次ページポスト際ではなく、もう1~2歩、中央寄りにポジションを取れたのでは?

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