「イエロに忘れられた者たち」 スペイン紙がW杯で出番なしの6人を紹介し、指揮官の起用法に疑問を呈す

2018年07月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

サウールの出番ゼロについて「不可解だった」と報じる。

ロペテギ前監督時代はブスケッツの代役として重宝されたサウールだが、まさかの出番ナシに。ワールドカップデビューは4年後に持ち越しとなった。(C)Getty Images

 7月1日のロシア・ワールドカップ決勝トーナメント1回戦で、スペインは開催国ロシアと1-1で引き分け、PK戦の末にベスト16敗退に終わった。

 今大会のスペインは初戦を迎える前から厳しい船出となった。開幕前日、今夏のレアル・マドリー指揮官就任が発表されたジュレン・ロペテギ監督を連盟が解任。スポーツディレクターを務めていたフェルナンド・イエロが、急きょ指揮を執ることになったからだ。

 ポルトガルとの初戦を2日後に控える中で就任が決まったイエロ監督にとっては、非常に厳しい任務だっただろう。それでも指揮官は、つねにその決断を批評される運命にある。

 試合後、スペイン紙『Marca』は、「イエロに忘れられた者たち」と、指揮官がまったく起用せず、出場機会がないままロシアを去ることになった6選手にスポットライトを当て、一部の起用法に疑問符をつけた。
 
 まず挙がるのが、控えGKのケパ・アリサバラガとホセ・マヌエル・レイナ。ただ通常、正守護神に問題がなければ、控えに出番が回らなくても不思議ではない。もっとも今大会のダビド・デ・ヘアは、最初から最後まで精彩を欠き、批判を浴び続けていただけに、守護神変更の選択肢もあったかもしれないが。

 一方で、『Marca』紙が「不可解だった」と批判したのが、サウール・ニゲスを起用しなかったことだ。スペインにはミドルシュートを撃つ選手が必要だったとし、サウールにチャンスがなかったのは「おそらく最大のサプライズではないか」と疑問を投じている。

 また、ダニエル・カルバハルが負傷明けで、代役がナチョだった右サイドについても『Marca』紙は、アルバロ・オドリオソラに出番がなかったと言及。左サイドでも、ジョルディ・アルバは悪くなかったとしながら、疲労が明らかだったにもかかわらず、ナチョ・モンレアルが「ジョルディの影であり続けた」と伝えた。

 守備陣の中央には、セルヒオ・ラモスとジェラール・ピケという世界に誇るセンターバックがいる。だが『Marca』紙は、今大会の両選手が本来のレベルになかったと指摘。失点につながるミスもあったとし、セサル・アスピリクエタやナチョといった選択肢もあったのではないかと批判している。

 いずれにしても、敗退したスペインは、2020年のEURO、そして2022年のカタール・ワールドカップに向け、早急に立て直しが求められる。アンドレス・イニエスタはすでに代表引退を表明した。一時代が終わりつつあるスペインは、監督人事を含め、これからどのような道を歩むのだろうか。

 
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