【スペイン1‐1(PK3-4)ロシア|W杯選手採点&寸評】強豪スペインに大金星! 最高評価はロシアの守護神アキンフェエフに!

2018年07月02日 井川洋一・サッカーダイジェストWeb編集部

スペイン――総パス本数は1000本を超えたが。

(C)SOCCER DIGEST

[ロシアW杯 決勝トーナメント1回戦]スペイン 1-1(PK3-4)ロシア/7月1日/ルジニキ(モスクワ)

【スペイン|採点・寸評】
チーム 5

パス本数は1029本を数え、74%のポゼッションを記録し、25本のシュートを放ちながら、得点はひとつのオウンゴールのみ。試合中盤までは、2列目こそ頻繁にポジションチェンジを見せたが、貫通力のないボール回しが多かった。その後、変化をつけられるアタッカーを投入してからはより深くまで攻め入ったが、相手GKと守備陣の気迫のディフェンスをふたたびこじ開けることはできなかった。経験値の少ない選手はアウェーの空気に飲まれたようなところもあり、PK戦でも萎縮したか。

[GK]
1 ダビド・デヘア 4.5

オープンプレーに出番は少なく、高精度フィードは見せたものの、PKは試合中のものを含めて、すべて決められた。大会を通して、クラブで披露する頼れる姿はついぞ見せられず、この日のPK戦でも止められるシュートはあったはず。

[DF]
4 ナチョ 6(70分OUT)

ポルトガル戦以来の先発を飾り、早速タイミングよく攻め上がったところでファウルを受け、その後のFKが先制点につながった。際どいクロスやスルーパスも好印象だったが、後半途中に交代。

3 ジェラール・ピケ 5.5
ジューバを厳しくマークしていたが、ボックス内での競り合いの際に高く挙げた手にボールが当たりPKを献上して警告も受ける。味方のセットプレーの際にはヘディングでゴールを狙い、PK戦では2番手で落ち着いて決めた。

15 セルヒオ・ラモス 5.5
イグナシェビッチともつれ合いながら、相手のオウンゴールを誘って先制。マイボールの際には多くのパスを出したが、キックを阻まれてピンチを招いたり、フィードの精度にばらつきがあったり。冷静なPKと要所を締める守備はさすがも、本来の出来とは言えず。

18 ジョルディ・アルバ 6
攻撃では周囲と有機的に連携し、守備ではスピードに満ちた帰陣でピンチを防いだ。大きな相手にもエアバトルに望んだり、積極的にミドルを放ったりも。ただし、対面のフェルナンデスを嫌がるような場面もあった。
 
[MF]
8 コケ 6

中盤の守備の強度を上げるべく先発で起用され、相手のキーマンのゴロビンを注視。広範囲をカバーしながら、厳しくもフェアなチャレンジでボールを回収し、攻撃時には最終ラインに降りてポゼッションを高めた。3番手で登場したPK戦では、重圧からか、置きにいったようなキックを止められてしまった。

5 セルヒオ・ブスケッツ 5.5
ポゼッションの軸ながら、なんでもないパスミスも何度かあった。延長後半には、自陣の深い位置でフェイントを読まれてボールを失い、肝を冷やした。カバーリングや空中戦など守備面で貢献したが、動きが少なく、時にシンプルすぎる組み立ては、評価が分かれるところだろう。

21 ダビド・シルバ 5(67分OUT)
いつものような決定機の演出はなく、逆に中盤でボールを奪われたり、パスがずれてしまったりするなど、らしくない姿を見せた。イスコと絡んだ時は可能性を感じさせたが、その点でも後半から入ったイニエスタの方が上だった。

22 イスコ 6.5
広く自由に動き、ポゼッションを円滑にした。足を止めることはほとんどなく、スキルフルな足技を見せたかと思えば、長い距離を走ってディフェンスにも貢献。ボールロストの多さは仕掛け続けたことの証だが、この日は大きな違いを生み出すまでにはいたらず。

20 マルコ・アセンシオ 5.5(104分OUT)
鋭いFKで先制点につなげたものの、序盤はそれ以外に見せ場はほとんどなかった。2列目で唯一、縦に突破できるタイプだったが、チームのゆるやかなリズムに合わせるように、積極的なドリブルを見せることはなかった。
 

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