「あの10分間で日本のイメージは失墜した!」仏メディアは不誠実な西野ジャパンに総スカン!

2018年06月29日 結城麻里

仏サッカー界の大御所ギー・ルーも苦言を呈した

日本にしてみればGL突破を賭けたギリギリでの判断だった。しかし……。仏メディアの論調はこっぴどい。(C)Getty Images

「僕たちはちょっと、カワシマに対して口が悪かったですね」
 
 日本対ポーランド戦のハーフタイム、フランス国内の中継テレビ局『beIN SPORT』のスタジオではこんな会話が交わされていた。有名アニメーターであるオリビエ・メナール氏が、ヴァイッド・ハリルホジッチ前政権下で日本代表コーチを務めたジャッキー・ボヌベー氏に語りかける。2戦連続でミスをしていたGK川島永嗣には不安があると、試合前もその点を強調していたが、その守護神が前半にスーパーセーブを披露したのだ。
 
「そうですね。特別な技は必要ないにしても、やはりやってのけねばならない(難しい)セーブでした。カワシマはその責務を見事に果たしました」と、ボヌベー氏も微笑んだ。
 
 ここまでは良かったのだ。しかしながら最後の10分間で、日本代表へのイメージは失墜してしまう。
 
 実況を担当したアナウンサーは、日本が最終ラインでゆっくりボールを回している間、こんな言葉でまくし立てていた。
 
「これは悪いイメージです!」
「恥ずべきことです」
「パロディーだ」
「スポーツマンシップに反する」
「フェアプレー精神に欠けます!」
「ワールドカップでは前代未聞ですよ」
「お隣の韓国は最後の最後まで素晴らしい死闘を繰り広げて、世界王者を下したのに!」
 
 矢継ぎ早に義憤をぶちまけたのだ。

 
 その後の各局討論番組でも、日本には冷ややかな視線が注がれた。人気討論番組『L’Equipe du Soir(夜のレキップ)』では、ふたたびメナール氏が登場。「今日はこういうシーンを見せられてしまいました」と言って映像を再生すると、ベルギー人解説者のステファン・パウエルズ氏は、「こんなのを見たらなおさら、セネガルのほうがグループリーグ突破に値すると感じちゃうよ!」と吐き捨てた。
 
 フランス・フットボール界の大御所ギー・ルー(元オセール監督)も、「たしかボクシングでは、両方が戦いを拒否するような態度をとったときは、あるところで双方に制裁が加えるんじゃないのかね?」と、規則改定に言及した。それほどショッキングなシーンだったということだ。
 

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