【アルゼンチン0-3クロアチア|採点&寸評】すべてにおいてメッシを凌駕したモドリッチが文句なしのMOMに!

2018年06月22日 内藤秀明・井川洋一

アルゼンチン――前半から足元に危うさを感じていたが…。

(C)SOCCER DIGEST

[ロシアW杯グループD] アルゼンチン 0-3 クロアチア/6月21日/ニジニ・ノブゴロド(ニジニ・ノブゴロド)

【アルゼンチン|採点・寸評】
チーム 5

メッシに気持ちよくプレーさせる環境を作りたかったのだろうか。プレッシャーの少ないサイドにとどまれて、守備面でも負担の少ない3-4-2-1システムを採用。ただ実態は、メッシがフリーロールで動き回り、右サイドバックが一切上がらない4-4-2に等しいシステムとなっていた。チーム全体として中途半端なポジショニングで、かつ3-4-2-1のシステム的な弱点であるウイングバックとCBの間のスペースをとことん突かれ、何度もピンチに。その一方で、システム的な優位性である攻撃時にサイドで数的有利になれる部分は、クロアチアのハードワークで多くは消されてしまった。

[GK]
23 ウィリー・カバジェロ 4.5

前半から足元に危うさを感じていたが、その不安が的中した。53分、味方からのバックパスをキックミス。それをレビッチに拾われて失点を喫した。3失点目の場面でも、味方の帰陣が間に合っていないにも関わらず、シュートをボックス内に弾く失態を演じている。グループリーグを突破できなかった場合、戦犯のひとりとして扱われるのは目に見えている。

[DF]
2 ガブリエル・メルカド 5

2失点目のシーン、モドリッチにパスが渡る前のところでは、ただ棒立ちになるだけで中央へのパスコースを切るなどの素振りは見せず。ボランチのマスチェラーノがサイドに引っ張り出されている状況だったため、バイタルのケアを怠るべきではなかった。3失点目でもジョグで帰陣し、最後は足を止めた。大量失点の原因を作ったひとりだ。

3 ニコラス・タグリアフィコ 5.5
足元の上手さを活かして、組み立てで貢献。ただし、2失点目では完全にボールウォッチャーになってしまった。せめて、ウイングバックが本職ではないアクーニャに、モドリッチのシュートコースを切るようにコーチングするか、自身がリスクを犯して飛び込むか、なんらかのアクションは起こしてほしかった。

17 ニコラス・オタメンディ 5.5
守備面で大きなミスはなかったが、組み立ての部分でミスを連発。シティで抜群にビルドアップがうまくなったはずのオタメンディはどこにいったのか。
 
[MF]
8 マルコス・アクーニャ 6

本職でないためある程度は仕方がないが、裏のスペースを見事に突かれまくった。2失点目の場面では傍観者と化し、モドリッチのシュートコースを消せず。攻撃面では左サイドで推進力を見せたものの、決定機はほぼ作れなかった。

14 ハビエル・マスチェラーノ 5.5
チームが不慣れな3バックでプレーするなか、バイタルからサイドまでカバーリングに奔走し、守備面で大きく貢献。ただ、3失点目を喫した場面、足を止めずに最後まで走っていれば…。攻撃で期待できない分、守備においては100%を出し切ってほしかった。

15 エンソ・ペレス 6(68分OUT)
中盤で全体のバランスをとりながら、パスワークの起点としてチームの舵をとった。特別悪かったわけではないが、30分に訪れた決定機は決めておきたかった。

18 エドゥアルド・サルビオ 5.5(56分OUT)
アクーニャ同様に、ウイングバックが本職ではないため、ある程度は仕方がないのだが、CBとの間のスペースを何度も突かれた。1失点目の場面でも、結果的にカバジェロのミスになってしまったが、そもそもサルビオの戻りがもう少し早ければ、GKは余裕を持ってボールを持てたはず。攻撃では良いドリブル突破も見せていたが、守備で大きく足を引っ張った。
 

次ページアルゼンチン――相手をどう攻略するかよりメッシをどう活かすか。

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