【指揮官コラム】三浦泰年の『情熱地泰』|トップに追いつくことの難しさ

2018年06月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

リスクや不安もある「カジノ法案」だが、トライしてみるのも大事なことなのかもしれない

現役時代の転機は「ラスベガス」にあったという三浦監督。その経緯とは? (C) SOCCER DIGEST

「日本にカジノ?」が出来るらしい。
 
 カジノと聞くとやはり「ラスベガス」を思い出す。日本人の何パーセントがラスベガスを知っているのであろうか? パチンコ、競馬、競艇、競輪、サッカーではtotoと日本にも賭事はあるがカジノは合法ではなかった。
 
 僕は20代前半で生まれて初めてラスベガスの地を踏んだ。当時、賭事も麻雀もゲームもあまり興味がなかった僕だったが、ラスベガスにも良いイメージは持っていなかった。
 
「カジノ」賭事の街。映画の世界なのである。カジノは人を幸せにもするし不幸にもする。
ただきっと日本人にとっては不幸にしかならないと思っている人は多いのではないか……。
 
 それは当たるかハズレるか? 儲かるか損をするか? 全財産、カジノのバカラにつぎ込んだ。
 
 そんな話を聞けば儲かる、勝つ人は一部。不幸になるイコール「カジノ」は間違いではないであろう。
 
 ただラスベガスへ行けば、そこに数多くの人間が世界中から訪れ、大きなホテルが出来、レストランが、ブランド物のブティックができ、多くの人が働き、たくさんのエンターテイメントが人に感動を与える。大きなイベントが開かれ、ラスベガスのショーの規模は考えられないくらいのスケールである。
 
 日本にどんなカジノが出来るのかは知らないが、もしラスベガスに来る人たちが、もしラスベガスでカジノをやる日本人が、もし世界中のお金持ちが、ラスベガスではなく日本でカジノを楽しみ、日本の文化や風習、食を楽しんでくれたら。
 
 なんて考えると、ラスベガスを知っているだけに凄い法案が通ったなと思う。もちろん難しいことはたくさんあるんだろうし、簡単なことではないと思う。
 
 リスクもあるだろうし、冒頭で触れたように誰もが幸せになれるものではない。カジノや賭事は依存症にもなり得るし、怖いものでもある。
 
ただ、何の世界でも何もやらないことより、トライしてみること、やってみることは大事なことなのかもしれない。そしてどうせやるなら日本独自の素晴らしいものにしてほしい。
 

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