［ロシアＷ杯・グループＨ第１戦] 日本２－１コロンビア／６月19日／モルドビア・アレーナ（サランスク）
 
　日本に歓喜の決勝ゴールが生まれたのは73分だった。その３分前に香川真司に代わって途中出場していた本田圭佑が、左CKから鋭いクロスを供給。これをゴール前でサンティアゴ・アリアスらに競り勝った大迫勇也がヘディングで合わせたのだ。
 
　本田の精度の高いキックと大迫の強靭なフィジカルが融合して生まれたこの素晴らしいセットプレーは、決して偶発的に生まれたものではない。当事者の２人はともに「練習から上手くいっていた形で、その成果が出た」とキッパリ語っている。ロシア入りして以降の日本は、報道陣をシャットアウトする非公開練習でセットプレーを入念に確認。ワールドカップ初戦の決勝弾という形で見事にそれが花開いたのだ。
 

　大迫が「圭佑さんは本当に良い質のボールを入れてくれたので、感謝しかないです。僕のところにボールが落ちてきたので、本当にありがたいです」と語れば、本田も「サコ（大迫）のポジショニングが本当に素晴らしかったし、最後に身体を伸ばして触ったところも素晴らしいなと」とお互いを褒め称えた。
 
　言うまでもなくセットプレーは大きな得点チャンスで、守備戦術が進化の一途をたどるモダンフットボールではその重要性がより高まっている。コロンビア戦で大成功した本田→大迫の"新ホットライン"は２戦目以降も日本の重要な武器になりそうだが、もちろんセネガルとポーランドは警戒を強めてくるだろう。本田投入前はプレースキックを一手に担っていた柴崎岳の右足は、主にチーム１の長身である吉田麻也をメインターゲットにしていた。ここも見事に"開通"すれば、まさに鬼に金棒だ。
 
取材・文：白鳥大知（ワールドサッカーダイジェスト編集部）