【W杯展望|ドイツ×メキシコ】王者ドイツは「10番」を温存か⁉ タレント揃いのメキシコにも付け入る隙はある

2018年06月17日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「ワールドカップ男」が火を噴くか。

故障者/ドイツ=なし メキシコ=なし
出場停止/ドイツ=なし メキシコ=なし

ロシア・ワールドカップ グループF・第1戦
ドイツ-メキシコ
6月17日(日)18:00(日本時間24:00)キックオフ/ルジニキ(モスクワ)

 史上3か国目の連覇を狙う王者ドイツが、初戦を迎える。
 
 4年前の優勝を経験した主力が7人残り、さらに円熟味を増したチームに大きな穴は見当たらない。実際、欧州予選では破竹の10連勝、43得点・4失点という驚異的な強さで危なげなく突破を決めている。
 
 予選後の親善試合では1勝3分け2敗と結果が出なかったとはいえ、本番となれば一気にギアを上げるのがドイツであり、心配はないだろう。
 
 昨年9月に左足の中足骨を骨折し、出場が危ぶまれていたマヌエル・ノイアーも無事に復帰。直前のテストマッチでは、長期離脱の影響を感じさせないパフォーマンスをさっそく見せている。
 
 注目は右サイドに入るトーマス・ミュラーとCFのティモ・ヴェルナーだ。神出鬼没な動きで敵を攪乱する前者は、過去2回のワールドカップで5点ずつを奪っている文字通りの「ワールドカップ男」。圧倒的なスピードと多彩なフィニッシュワークが売りの後者は、昨夏のコンフェデレーションズカップで得点王となって自信をつけ、「クローゼの後継者」としての期待を一身に背負う。
 
 中盤の底でそのアタッカー陣を操るトニ・クロースの、精密機械のように精度の高いパスワ―クも必見だ。
 
 メキシコとの相性は悪くない。過去11回の対戦では5勝5分け1敗と圧倒。Bチーム主体で臨んだ1年前のコンフェデでも対戦し、MFレオン・ゴレツカの2ゴールなどで4-1の快勝を飾っている。
 
 懸念材料は、6月2日のオーストリア戦で膝を痛めたメスト・エジルの状態だ。すでにトレーニングに復帰しているものの、大事をとって初戦はベンチスタートが濃厚だ。攻撃のタクトを振るう10番不在の影響は、小さくないかもしれない。
 
 一方のメキシコは、主砲ハビエル・エルナンデスをはじめ、攻守に奮闘する中盤のエクトル・エレーラとアンドレス・グアルダード、今大会のブレイク候補のひとりであるイルビング・ロサーノなど、「史上最強」と評されるほどタレントは豊富。試合ごとにスタメンもシステムもコロコロと変えるファン・カルロス・オソリオ監督が、どの11人をチョイスするのか注目だ。
 
 痛恨だったのは、CBが本職でアンカーでの起用が濃厚だったディエゴ・レジェスの故障が長引き、開幕後に23人の登録メンバーから外れたこと。バイタルエリアをプロテクトするいわば門番的な存在を失い、それこそミュラーが入り込むスペースを与えかねない。
 
 伝統的に、ゴール前に"バス"を並べるような守備的な戦い方は好まないため、世界王者相手にも真っ向勝負を挑んでくる可能性が高い。ジャイアントキリングを起こすだけの実力は備えているとはいえ、早い時間帯に先制を許せば一気に大量失点を喫するケースもあり得る。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事