【W杯で発掘!ニュースター ブラジルで見つけた光る原石】ファン・フェルナンド・キンテーロ|コロンビア代表

2014年06月24日 河治良幸

DFラインをスパッと切り裂く左足のスルーパス。

【Juan Fernando QUINTERO ファン・フェルナンド・キンテーロ】
■1993年1月18日生まれ
■169センチ・64キロ
■ポルト所属
■A代表通算:5試合・1得点(6月23日現在)
(C) Getty Images

 起点はハメス・ロドリゲスのボール奪取だった。敵陣の中央で受けたテオフィロ・グティエレスが右足で素早く縦に通すと、一瞬で裏に抜け出した背番号20が左足で流し込んだ。
 
 グループリーグ第2戦のコートジボワール戦、コロンビアの2点目を決めた背番号20がファン・フェルナンド・キンテーロ。21歳の若きアタッカーだ。ファン・ロマン・リケルメ(元アルゼンチン代表)をはじめ、これまでに数多くの技巧派MFを指導してきたホセ・ペケルマン監督も高く評価する、未来のクラック(名手)候補生である。
 
 非凡なプレービジョンと高度な技術を持つキンテーロは、2013年1月のU-20南米選手権でMVPに輝き、続く夏のU-20ワールドカップでも目の覚めるようなファインゴールを奪うなど、強烈な彩光を放った。母国のアトレティコ・ナシオナルからイタリアのペスカーラへのレンタルを経て、J・ロドリゲスの後を追うように、若い才能を育ててメガクラブに送り出すノウハウに定評のあるポルトに移籍した。
 
 最大の武器は、DFラインをスパッと切り裂く左足のスルーパス。コートジボワール戦のように、鋭い飛び出しからのゴール奪取も持ち味だ。タイプ的にはJ・ロドリゲスと似通っている。ただ、181センチのJ・ロドリゲスに対し、169センチと小柄なキンテーロは、DFの間を掻い潜るように動いて攻撃に変化をつける。ウイングもこなすが、持ち味をより発揮できるのはセカンドトップだろう。
 
 3-0で勝利した初戦のギリシャ戦は出番がなく、コートジボワール戦も53分にビクトール・イバルボとの交代でピッチに立った。まだ主力というわけでない。ただ、主砲のラダメル・ファルカオが怪我でエントリーを外れ、FWカルロス・バッカも同じく怪我で離脱した。重要性は確実に増している。
 
 守備面など荒削りな部分が目につくとはいえ、ワールドカップのデビュー戦で初ゴールをマークし、自信を深めているはずだ。コロンビア戦にグループリーグ突破を懸ける日本にとって、危険な存在と言えるだろう。
 
取材・文:河治良幸
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