【総体】小川航基のような頼れる存在へ――。桐光学園の2年生10番が全国舞台での活躍を宣言!

2018年06月16日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

西川にとっては初の全国舞台。「去年の借りを返す気持ちでやっていく」

左足を駆使したドリブルが武器の西川。夏の大舞台でブレイクする可能性は十分だ。写真:徳原隆元

 長年、多くの人材をプロに送り込んでいる桐光学園(神奈川)。古くは元日本代表の中村俊輔(磐田)、近年ではU-21日本代表の小川航基(磐田)などがスカイブルーのユニホームから羽ばたいていった。
 
 しかし、直近2年は全国舞台とあまり縁がなく、夏と冬で4度のチャンスがありながら、2016年の選手権に出場した以外は地区予選で敗退。思うような結果が残せず、高校サッカー界きっての名門校は苦しんできた。チームを指揮する鈴木勝大監督だけではなく、選手たちも責任を感じており、チームの10番を背負う西川潤(2年生)もそのひとりだ。
 
 来年のU-17ワールドカップを目指すU-16日本代表のエース候補と目される西川は昨年、1年生ながらいきなり中村などが背負った10番を継承。高校入学前の3月下旬からエースナンバーを託されていたことからも、期待の大きさが窺える。

 ただ、その思いとは裏腹にルーキーイヤーは不完全燃焼。インターハイ予選は初戦敗退、選手権予選は決勝で涙を飲んでおり、西川が責任を抱え込むのも無理はないだろう。

 2年生となった今季、「自分はプロになりたい」という西川の目標はひとつしかない。全国舞台での活躍だ。当然、最初の機会となるインターハイは是が非でも出場権を逃すわけにはいかず、並々ならぬ意欲を持って今予選に挑んでいた。

 すると、「去年と違って、今年は2年生。自分がやってやるんだという自覚が芽生えてきた」という10番は、チームを力強く牽引。16日のインターハイ予選準決勝の厚木北戦ではゴールこそ決められなかったが、相手に囲まれながらも強引な突破で好機を作り出す。後半の中盤にはショートカウンターから独力で持ち込み、右足でシュートを打ち込んだ。
 
 惜しくもゴールに結びつかなかったが、"自分の力でチームを勝たせたい"という想いが見て取れるワンプレーであり、自身の特徴である左足のタッチやドリブルスキルも存分に発揮された場面だった。
 
 試合は1-1のまま、延長戦に突入。最後はPK戦で勝利を手繰り寄せ、チームは3年ぶりとなるインターハイの出場権を獲得した。

 試合後、西川も仲間と喜びを分かち合い、「インターハイも初戦で負けて、選手権予選は決勝で負けた。1回も全国大会に出られなかったので、去年の借りを返す気持ちでやっていく」と檜舞台での活躍を宣言。「小川君は凄い。自分が取ってやるという気持ちが滲み出ている」という偉大な先輩のように、チームを勝利に導けるか。桐光学園の2年生10番がどのようなプレー見せるのか、今から楽しみだ。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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