中国人ファンの爆買いがロシアW杯を襲う!? 渡航者10万人超、信じられない高額ツアーも

2018年06月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

チケット売り上げで堂々のトップ10入り

母国代表チームは出場しないが、10万人を超える中国人ファンが隣国ロシアに足を運ぶという。サッカー人気は着実に浸透している。(C)Getty Images

 開幕が目前に迫ったロシア・ワールドカップ。先日、FIFA(国際サッカー連盟)の公式サイトがアナウンスしたのは、直近のチケット販売状況だ。
 
 同サイトによると、6月7日の時点で240万枚を超えるチケットが販売されており、そのうち87万2000枚が開催国ロシアのファンに渡ったという。2番目に多いのはアメリカ(8万8825枚)で、以下ブラジル(7万2512枚)、コロンビア(6万5234枚)、ドイツ(6万2541枚)、メキシコ(6万302枚)、アルゼンチン(5万4031枚)、ペルー(4万3583枚)、中国(4万251枚)、オーストラリア(3万6359枚)、イギリス(3万2362枚)と続く。
 
 例年のごとく、南米の出場国からサポーターが大挙して押しかける光景が目に浮かぶ。その一方で驚かされるのが、これらサッカー先進国のなかに中国が食い込んでいる点だろう。国内でのサッカー人気は急加速的に高まっており、日本でも話題になった"爆買い"の波が、ついにワールドカップの舞台にまで到達したのである。

 
 中国の大手旅行サイトによれば、ロシアに渡航する中国人観光客は10万人を超えるという。2002年に開催された日韓ワールドカップでは4万~5万人だったところが、16年間で2倍以上に膨れ上がった計算になる。ロシアとの距離が近いのもあるだろう。なんと中国とロシア間のフライトは、昨年の同時期から約400%もアップ。モスクワのホテルの宿泊費はワールドカップ価格で高騰の一途を辿っているが、彼ら中国人ファンは迷うことなくブッキングを続けているのだ。
 
 旅行代理店のデータでは、ファーストクラスでの渡航、高級ホテルでの滞在、決勝戦のチケットを含むツアーにひとり12万元(日本円にして約205万円)を支払ったグループがあったようで、しかもそれは高校生の一団だという。また、ワールドカップ観戦のために個人で85万元(約1405万円)のプランを立てた客もいた。カネに糸目をつけないとはこのことだ。
 
 また、中国企業のサッカー界への参入も目覚ましい。中国で圧倒的なシェアを誇る酪農企業『蒙牛乳業』は、2017年12月にFIFAとスポンサー契約を締結。同社のヨーグルトドリンクは「ワールドカップ公式飲料」として中国国内で販売され、売り上げを飛躍的に伸ばしてきた。今大会でも全64試合で、テレビCMが流れる予定だ。
 

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