【日本代表】香川真司が繰り返し口にした“あるワード”。悩める10番が考える攻撃の打開策は?

2018年06月09日 サッカーダイジェスト編集部

「チームとしても個人としても何かひとつストロングを持ってワールドカップに行きたい」

ラスト15分で登場した香川真司。得意のトップ下でプレーしたが、大きなインパクトを残せなかった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[国際親善試合]日本0-2スイス/6月8日/ルガーノ(スイス)
 
「シュートはペナルティエリア外がほとんどで、それではなかなか入らないし、相手がコースを限定していたのもある。そう考えると、バイタル(エリア)に入り込んでいかないといけない」
 
 スイスの守備を崩せず、完封負けを喫した西野ジャパン。76分に本田圭佑との交代でトップ下へ入った香川真司は試合後、"バイタル"という言葉を繰り返し口にした。
 
「出たらどれだけバイタル(エリア)に入っていけるかというのは意識した。ただ自分だけで攻略できるほど甘くはないので、2人3人絡めるのがやっぱり必要だし、もっと出していきたい。次の試合(12日のパラグアイ戦)があるので、そこで僕はやり切りたいし、チームとしても個人としても何かひとつストロングを持ってワールドカップに行きたいし、それを見出したい。3日間しかないが、話し合いながら練習したい。そういったところが今日は足りなかったのかなと思う」
 
 狭いエリアでボールを受け、コンビネーションを活かして打開を図るのは香川の強みであり、代名詞だと言える。それだけに、連係が確立されていない現チームに歯がゆさを感じるのだろう。
 
「全体的に後ろからのボール回しはそこまで悪くなかった。あとはスペースがバイタルにあるなかで、止まって受けるのではなくて、そこに誰が走り込んで受けられるのか、スピードを上げていけるのか。相手のSBがそれに食いついた時に(日本の)SBが上がれば、フリーでセンタリングを上げるチャンスが生まれるし、中に人数を掛けられる。そういった手応えは15分で感じたし、あとは最後のちょっとした細かいところでお互いの距離感と技術で合わせていければ。細かいところですけどそこは必要だし、僕がトップ下に入った時は意識したい」
 
 香川の特長がもっとも活きるだろうトップ下でのプレーは、わずか15分程度に終わった。ただそのなかでも、小さくない手応えを掴んだ。「コンビネーションなどやれるメンバーだと思っている」と仲間の能力の高さを感じてもいる。
 
 とはいえ、日本のエースに対する風当たりは強いだろう。短い出場時間のなかで、結果を示せなかったからだ。それでも、ハリルホジッチ前体制とは異なり、ポゼッションでの崩しを基調とする西野ジャパンでなら、香川の良さが引き出される可能性は高いはずだ。
 
 クラブでは怪我に悩まされ、5月に復帰を果たしたばかり。ただ本人は「フィーリングとしては悪くない」と語っており、コンディションに心配はなさそうだ。12日のパラグアイ戦では、再びトップ下としてプレーするのか。そして、スタメン復帰を果たすのか。いずれにせよ、背番号10の意地に期待したいところだ。

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