ポステコグルー、豪サッカー界に警鐘を鳴らす…「オーストラリアはJリーグを手本にすべき」

2018年06月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

W杯出場決定後に辞任。その理由を明かす

Jリーグで指揮を執るオーストラリア人指揮官が、母国のサッカー界に警鐘を鳴らした。 (C) Getty Images

 予選を突破した時とは異なる指揮官で、ロシア・ワールドカップを戦うのは、日本だけではない。同じアジアから出場するオーストラリアも、ホンジュラスとの大陸間プレーオフ後に、アンジェ・ポステコグルー監督が辞任している。

 現在、横浜F・マリノスを率いているポステコグルー監督は、「どんなサッカーにしていきたいのか、どの道を進みたいのかという点で考え方が違った。みんな、私の考え方には興味がなかったのだろう」と、英紙『Guardian』のインタビューで、辞任した当時を振り返っている。

 ポステコグルー監督は、「発展という点では、正直我々は後退していると思う」と、ロシアW杯だけを気にするのではなく、オーストラリア・サッカーの成長を考えるべきだったとも訴える。

「残念ながら、私が率いていたころと比べて後退している。我々はあまりに短期的にしか考えていない。どのようにしてオーストラリアを世界の強国にできるのかという点で、より広い視野を持つ人が十分に足りていない」

 成長を促すのは、予選での競争が激しさを増しているからだ。ポステコグルー監督は、「アジアの競争は本当に厳しくなると思う。すでにユースレベルでは難しくなっている。W杯予選突破はますます難しくなるだろう。アジアの国々はどんどんユースに金を注いでおり、我々はそれをしていないからだ。それどころか我々は逆行している」と、母国の現状に警鐘を鳴らした。
 

「大幅な再考と再構築が必要だと思う。草の根レベルで投資せず、ユースに投資していかなければ、どこかで代償を払うことになるのは避けられない」

 今シーズンの横浜で攻撃的なサッカーに取り組む52歳の指揮官は、「オーストラリアが目指すべきは、Jリーグだ。非常に競争的なリーグだし、よく組織運営されている。どのクラブにもしっかりリソースがある。私は楽しんでいるよ」と、Jリーグを称賛している。

「日本は我々が追いかけるべき良いモデルだと思う。25周年を迎え、リーグは3部制。最初は一定数のチームの1部制で始めたが、適切なタイミングで拡大し、他に投資を促した。今の日本の競争はより成熟しており、昇降格がほかのチームたちに希望を与えている。これは一夜漬けで起きたことじゃない。彼らは計画してきたんだ。オーストラリアにも同じことが必要だ」
 

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